関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】森 朋子(もり ともこ)氏

森 朋子(もり ともこ)

東京都市大学環境学部環境経営システム学科 准教授(香川県出身)                                

(2025/3/31掲載)

リレー寄稿_森 朋子

災害廃棄物に関わったきっかけ

 2011年の東日本大震災後、国立環境研究所の客員研究員として放射性物質を含む廃棄物処理のリスクコミュニケーション研究に関わったのがきっかけです。その後、所属組織が変わりながらも、災害廃棄物処理を円滑に進められる人材の育成手法をテーマに、事業や研究に継続して従事してきました。

もっとも強く印象に残ったこと

 災害廃棄物処理の現場で自治体職員に求められる能力を明らかにするために、当時東日本大震災の3年をかけた処理が終わったばかりの東北地方の自治体職員、関わったコンサルタント等、26名の方々に集まっていただき、1泊2日のワークショップを2014年に開催しました。あれからもう10年が経ちますが、そのときに出された現場の生々しい状況、職員の葛藤、失敗と工夫等に関する意見は今でもよく覚えていますし、重要な知見として今の人材育成研修の基礎に活かされています。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 これまでは自治体職員を対象とした人材育成研修や計画策定を主なテーマとしていましたが、ここ数年は市民・住民への啓発や学習機会の提供に研究の軸をシフトしています。自治体がどんなに事前準備をし、発災後に頑張って動いたとしても、市民が協力してくれなければ、災害廃棄物処理を円滑に進めることはできません。「災害廃棄物」というマニアックなトピックを市民の方にどう理解いただき、協力体制を構築できるかに取り組んでいます。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 市民に向けたユニークな広報、市民参加型の災害廃棄物訓練・計画作成に取り組んでおられる、あるいは取り組もうとされている自治体がおられましたら、ぜひ情報共有いただきたいです。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 「災害」という誰もが大変なときにこそ、そこに関わる自治体職員・事業者には自分の仕事への矜持が問われるなぁと、様々な現場を見ていて思います。それは被災した市民にとっても同じで、災害時のごみの出し方にこそ、その地域のリアルな市民性が出るものです。普段のごみの出し方、コミュニティの在り方、自治体と市民との関係性が重要だと考えています。

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