関係者とつながる【リレー寄稿】瀬戸口正海Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】瀬戸口 正海(せとぐち まさみ)

瀬戸口正海(せとぐちまさみ)

鹿島環境エンジニアリング株式会社 最終処分場エコアくまもと事業所
プラントマネージャー(鹿児島県)
(2025/1/30掲載)

リレー寄稿_瀬戸口正海

災害廃棄物に関わったきっかけ

 2012年10月に、福岡大学のグループに同行して東日本大震災の仮置場(仙台市内の2ヶ所)と海岸沿い(陸前高田市~石巻市)の被災状況の調査を行ったことです。
 ヒアリングした仮置場の運営会社(産業廃棄物処理会社)の担当者から苦労話を聞き、災害対応の情報収集や自身で災害時にどのようなことをしていくべきかを考え始めました。

もっとも強く印象に残ったこと

 熊本地震の際、東日本大震災対応の経験者たちからプッシュ型の情報提供や実際に現場に来て頂いての激励やアドバイスには大変助けられ、士気も上がりました。
 災害対応終了後、多くの方々から「おかげで解体と処理が計画通りに完了できた」、「この施設があって本当に良かった」等の言葉を頂けたことは嬉しかったです。
 10年の苛烈な反対運動のあった最終処分場が災害対応からの復旧に役立つことができ、「皆さんに認めて頂けた」という喜びとともに、引き続き高いレベルの維持管理をしていかないといけないという使命感が強くなりました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 熊本地震と豪雨災害対応を経験し、“災害廃棄物”と言っても地震と水害の廃棄物は物性に違いがあり、最終処分場での受入管理や埋立方法等、維持管理方法も異なることが分かりました。“最終処分場”からの視点で災害対応についての問題点を整理し、最適な対処方法を検討していきたいです。

災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報

 発災後の仮置場の設置が、“肝”になることです。
 災害直後、目の前の大量の廃棄物をなくすために「とりあえず最終処分場へ」という進め方は良くないです。短期的にみると「住民からの強い要望があり、すぐに手っ取り早く目の前からなくなるからいい」となりますが、中長期的にみると浸出水や埋立地ガスの悪化により、維持管理期間が計画より長期化するリスクがあります。
 リサイクル率を上げ円滑に災害廃棄物処理を進めていくためにも、中長期視点に立って仮置場の設置運営に力を入れていくことが必要だと思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害は突然やってきます。そして、“他人事”から“自分事”になり動転します。
2つの災害対応を通して「備えあれば憂いなし」の大切さを実感しました。「熊本では地震は起こらない」と言われていましたが、まさかの大地震が起こりました。予め災害対応計画を作成していたおかげで、比較的冷静に対応できました。
 熊本地震の頃に比べ災害廃棄物対応の情報ソースは、国立環境研究所や環境省をはじめ入手しやすく体系化されています。引き続き、より分かりやすく、より使いやすい情報ソースづくりを進めて頂きたいです。
 また、発災後の動転状態の時は冷静に情報(本や資料等)を読み込んで理解することが難しいので、経験者に聞くことで早い問題解決につながると思います。ですので、近くの専門家や災害対応経験者、例えばこのリレー寄稿で紹介されている方々に遠慮なく聞いて頂ければと思います。

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