関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】二村 崇(にむら たかし)

二村 崇(にむらたかし)

豊川市産業環境部清掃事業課 課長 (愛知県出身)
(2024/11/29掲載)

リレー寄稿_二村 崇

災害廃棄物に関わったきっかけ

 令和4年4月に清掃事業課に異動となり廃棄物行政に携わることとなりました。
 この年に危機管理課より、防災センターにある巨大床面地図プロジェクションマッピングを用いて部局横断の「災害廃棄物ワークショップ」(以下「WS」)をやってみないかと声掛けがあり、収集担当を含めた課員で3回のWSに参加しました。WSでは、名古屋大学減災連携研究センター、平山修久准教授から懇切丁寧なレクチャーをいただきながら、床面地図上に被害想定に基づいた被害状況を投影し、発生する災害廃棄物をどこへ運んでいくかなどのシミュレーションを行いました。この翌年に水害に見舞われましたが、WSの経験が活かせたと考えています。

もっとも強く印象に残ったこと

 被災翌日、朝8時過ぎに登庁したところ電話が鳴りました。被災地区の一つの町内会長さんからで、「地域が水没して、みんな片付けている。とりあえず地元神社の駐車場に集めさせるから、収集を頼む。」とのことでした。方針も何もない状態でしたが、収集するしかないと即断し、収集担当に収集を依頼しました。結果的に、9箇所設置された地域集積場の第1号となり、町内会からの要望により設置するというスタンダードとなりました。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 あくまでも市域の一部が被災する水害に関してになりますが、兎に角、1箇所でいいので、被災者の片付けごみを受け入れる仮置場を設置し、被災翌々日までには受入開始をすることだと考えます。仮置場設置により、被災翌日から片付け始め、運ぶ手段のある被災者の「片付けたものを掃き出したい。」という第一ニーズに応えることができます。以降は、被災規模に応じて、追加の仮置場設置や地域集積場設置など、廃棄物を一定の場所に集めつつ収集、運搬、処理へと、廃棄物を常に移動させるスキームを組み立てることができれば何とかなると思います。
 また、災害というフィルターを通すと、産業廃棄物や処理困難物も処理窓口は第一義的に市町村(一般廃棄物扱い)となり、通常のごみ処理スキームとは全く異なる処理スキームを求められます。本市は、自己処理では間に合わないと判断し、日々の収集運搬委託事業者への緊急委託や災害廃棄物処理の支援協定先団体へ収集運搬及び処理を委託しました。産業廃棄物や処理困難物の収集運搬及び処理のノウハウを持つ事業者や団体と協定を結んでおくことは必須であると思います。

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