水田圭一(みずたけいいち)
富山県環境科学センター 主任研究員(富山県出身)
(2024/9/30掲載)
災害廃棄物に関わったきっかけ
人事異動に伴う環境科学センターへの異動の際、それまで前任者が取り組んでいた「地理情報システムを活用した災害廃棄物発生量の推計に関する研究」を担当することになりました。これまで行政にいたこともあり、私自身全く初めての分野だったことから、災害廃棄物とは何か、災害とは何かと学ぶところから始めました。以降、今日にいたるまで地理情報システムを活用した災害廃棄物の研究に取り組んでいます。
もっとも強く印象に残ったこと
東日本大震災の際は海外にいたこともあり、令和6年能登半島地震は初めて被災した経験でした。これまで研究には取り組んでいたものの、どこか非現実的なところがあったのですが、実際に震災を経験し、被災地や災害廃棄物を見て改めて研究の重要性を再認識したところです。
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
現在、中小規模の災害でも活用可能な災害廃棄物仮置場候補地のデータベースの検討を進めています。仮置場を迅速に設置・開設することは、被災地域の生活環境を保全するうえでも極めて重要です。限られた人員体制の中でも、仮置場に関する情報を管理することを円滑に進めるため、現在、国立環境研究所等と協力して取り組んでいます。今後は、この取組みを多くの地域に広げられるよう、さらに取り組みたいです。
災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報
災害廃棄物処理の実務に係る情報、共通の考え方、例えば、発生量が簡単に計算できるフォーマットが重要だと考えています。被災時には少ない職員でかつ短時間で対応する必要もあることから、今回の災害を機に整理していきたいです。
その他、災害廃棄物対策に関する思いなど
気候変動に伴い豪雨災害など頻発していることもあり、訓練などに参加した際にも災害廃棄物への事前の備えの重要性がますます高まっていると感じています。スピード感と現場との対話を忘れず、取り組んでいきたいと思います。