関係者とつながる【リレー寄稿】大賀 実(おおが みのる)Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】大賀 実(おおが みのる)

大賀 実(おおが みのる)

一般社団法人千葉県産業資源循環協会 副会長
災害廃棄物対策委員会 委員長
高俊興業株式会社 取締役専務執行役員(山口県)
(2024/8/30掲載)

リレー寄稿_大賀 実

災害廃棄物に関わったきっかけ

 千葉県産業廃棄物協会(現、千葉県産業資源循環協会)は2003年(H15年)に千葉県と「地震等大規模災害時における災害廃棄物の処理等に関する協定」を締結しており、2011年(H23年)に発生した東日本大震災で千葉県旭市も津波の被災地となり、現地統括責任に委嘱されたことがきっかけです。

もっとも強く印象に残ったこと

 東日本大震災時、現地仮置き場の現状確認を行った際、高さ3m程の災害廃棄物が旧中学校の校舎跡地及びグラウンドに山積みになっていた光景を目の当たりにし、唖然としたことを鮮明に覚えています。また、2019年(R元年)9月の房総半島台風に加え10月の東日本台風、更に10/25の大雨による河川氾濫と1ヶ月半で3度の災害に遭い、千葉県内広域に亘り被災したことも印象深い出来事です。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 前述の他に2023年(R5年)9月にも線状降水帯の影響による豪雨に見舞われ、河川の氾濫による災害対応を経験しました。4年前と同じ地域が被災したこともあり関係者に顔見知りの方もおられ、前回以上にスムーズな現場対応が出来たことは復旧を急ぐ現場においては良かったことと思います。改めて備え(マニュアル周知)、準備(関係団体との研修・訓練=顔の見える関係構築)の重要性を体感させていただきました。平時より地域ごとに行政と関係団体とが準備に関わりを深めていければと考えます。

災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報

 有事の際、被災状況の共有として概ねの被災状況及び災害廃棄物量、仮置き場の場所、受入れ時期、公共・民間の処理施設の被災情報等、並びに速やかな仮置き場運営等の協力への実現に対する情報などです。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 有事の際、速やかに協力できる環境整備が必要と実感しています。例えば、一般廃棄物であることで事務手続きに時間を要します。働き方改革により労働時間に制限が有り協力したくても協力できない規制があるが、建設業等に有事の際は規定を適応しない等、明確な環境整備を望みます(会社の規模が大きい程、機動力を有しているがコンプライアンス体制が確立しているため)。
 生活環境保全の観点から速やかな対応に加え、再資源化を優先した災害廃棄物処理を実現するために初動及び機動力を発揮できる体制づくりの実現に貢献していきたいです。

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