平時の対策を知るPre-disaster preparedness actions 平時にどのような災害廃棄物対策を進めるべきかを知る

大阪府「災害ごみ処理に係るボランティア連携」の取組み

 

大阪府環境農林水産部循環型社会推進室 資源循環課 水渡大介氏

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2024年8月

目次

はじめに

1.作成に至る経緯

2.ハンドブック等の作成プロセス

3.ハンドブックの概要および使い方

4.研修ツールの概要および使い方

5.今後の活用

はじめに

 大阪府では、環境省の実施する「災害廃棄物処理実効性確保に向けたモデル事業」を通して、ボランティア向け災害ごみ処理ハンドブック案等の作成に取り組みました。作成にあたっては、吹田市、茨木市、門真市、泉南市及び社会福祉協議会等のボランティア関係団体のご協力のもと、貴重なご意見をいただきました。

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ボランティア向け災害ごみ処理ハンドブック案

 

1.作成に至る背景

 近年の激甚化する災害における課題の一つとして、片付けごみなどの災害ごみへの対応が挙げられます。片付けごみは、発災後の初期段階から大量に発生しますが、それらの処理の遅れは、被災者の健康や安心安全の確保への障害となり、また衛生環境の悪化や地域の復旧・復興の遅れなど様々なリスクに繋がるため、市町村と災害ボランティアセンターを運営する社会福祉協議会(以下、社協という。)及びNPO・ボランティアの皆様との緊密な連携による迅速な対処が極めて重要となります。
 そこで大阪府では、平時に市町村とボランティア関係者の連携体制の構築を支援すべく、関係者と協力しながらワーキングなどを通して、ボランティア向け災害ごみ処理ハンドブック案の作成に取り組みました。また、本モデル事業では、ハンドブック案に加えて災害ごみ処理に係る市町村向けボランティア連携マニュアル案とボランティア向け災害ごみ処理研修ツールも作成いたしました。

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災害ごみ処理に係る市町村向けボランティア連携マニュアル案

 
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ボランティア向け災害ごみ処理研修ツール(1)      

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ボランティア向け災害ごみ処理研修ツール(2)

2.ハンドブック等の作成プロセス

 本モデル事業のハンドブック等について、吹田市、茨木市、門真市、泉南市の廃棄物担当職員と大阪府が災害時におけるボランティア活動支援について協定を結ぶ社協、ならびに災害時には被災地の最前線で活動される経験豊富なボランティア団体員と共に、4回にわたるワーキングを実施しました。
 ワーキングの初めには基礎講座として環境省近畿地方環境事務所より「災害廃棄物処理について」、大阪府社会福祉協議会より「ボランティアセンターの発災時の動きや行政等との役割分担」についてそれぞれご講義いただき、発災後の各主体の対応やボランティアとの関わりについて意見交換を実施し、ハンドブック案や研修ツールなどの作成にあたる全体の方針について関係者の認識を共有しました。ボランティア向けハンドブックは、平時に市町村やボランティア関係者等が、一般ボランティアに配布して災害ごみ処理の流れや留意点、分別方法などを周知・啓発するために活用できるものを目指し、ハンドブックを軸として研修ツールとマニュアル案を作成することを決めました。

 

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ワークショップの様子

 ワークショップ形式での話し合いでは、4市それぞれの職員が社協を含むボランティア関係者とチームを組み、理想のハンドブックについて意見を出し合いました。市の立場と現場の立場からそれぞれ見える災害ごみ処理の課題を洗い出し、抽出した課題の対応策について共に話し合うことで、災害時の連携を見据えたより実効性の高い内容を目指すことができました。災害時にボランティアと円滑な連携ができるよう、平時から双方の顔の見える関係性を築き連携体制を構築していく必要性を強く感じるワークショップとなりました。

3.ハンドブックの概要および使い方

 本ハンドブックは、市町村が各自治体の災害ごみの分別ルールや集積所・仮置場への搬出ルールなどを踏まえて編集を行うことができ、平時は市町村やボランティア関係者等が、一般ボランティアに配布して災害ごみ処理の流れや留意点、分別方法などを周知・啓発するために活用されることを想定しています。ハンドブックの編集の際には、別途準備した作成支援資料を参照いただき、趣旨に合わせてハンドブックの構成を編集することが可能です。ボランティア活動時に留意していただきたい内容を、ハンドブックを用いて事前に周知することで、より適切・効果的な支援を行うことにつながり、結果として、災害ごみの処理の迅速化や被災地の早期復旧・復興にもつながります。

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状況に合わせたハンドブックの編集

4.研修ツールの概要および使い方

 ハンドブックと併せて作成したボランティア向け災害ごみ処理研修ツール案は、平時に市町村が社協と連携して、各地域の災害ごみの分別ルールや集積所・仮置場への搬出ルールなどを踏まえて編集を行うとともに、一般ボランティア向けの図上演習等の研修に活用されることを想定しています。
 本研修ツールには、以下の4つのメニューを用意しています。それぞれのメニューには問題の設定や研修の進め方に関する説明、問題、解説、解説を補足するコラム等が含まれており、ボランティア連携の重要性やごみの分別などについてワークショップを通して学ぶことができます。

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研修メニューとその内容

 本研修ツールは、各自治体が事前に資料を編集することを前提としており、資料編集にあたっての解説を豊富に用意しています。作成支援資料をご参照いただくことでスムーズに資料を準備することが可能です。また、研修の進行についても、使用する研修ツールの各ページにページの使い方や進行・解説のポイントを整理しています。資料は研修運営を行う事務局用のページ、研修開始前の事前配布用のページ、適宜参加者に配布する解説用のページで構成しており、資料の右上マークを参照していただき、先に述べた解説資料を参照しながら、自治体ごとに合わせた研修資料を準備できます。

 

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資料の右上マークとその役割

5.今後の活用

ボランティア向けハンドブック、研修ツールおよび市町村向けボランティア連携マニュアルの3つの内容は、それぞれ以下のように連携しています。災害ごみ処理のボランティア活動に係る連携体制の構築を行うにあたり、これらをぜひご活用ください。また、市町村が一般ボランティア向けに研修を行う際には、ハンドブックや研修ツールをご活用ください。ハンドブック概要版は、災害時に災害ボランティアセンター等で、被災地の支援に来てくれた一般ボランティアに配布し、被災現場の災害ごみ処理を円滑に進めることを支援する資料として活用できます。ぜひ、大阪府のHPからダウンロードしご利用ください。

 

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ハンドブック案、研修ツール案、連携マニュアル案の連携内容

 

<各種資料作成にあたり協力いただいた団体>

吹田市、吹田市社会福祉協議会、茨木市、茨木市社会福祉協議会、門真市、門真市社会福祉協議会、泉南市、泉南市社会福祉協議会、

大阪府社会福祉協議会、おおさか災害支援ネットワーク(OSN)、災害救援レスキューアシスト、日本防災士会大阪府支部

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