関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】岩嵜享史(いわさきたかふみ)

岩嵜享史(いわさきたかふみ)

宇治市 まち美化推進課 主査(京都府出身)
(2024/6/28掲載)

リレー寄稿_岩嵜享史

災害廃棄物に関わったきっかけ

 私は現場作業員として、これまでに何度か被災地支援に参加したことや、平成24年に宇治市で京都府南部地域豪雨災害が発生したことをきっかけに、本市においても災害廃棄物対策について何らかのアクションが必要であると考えていました。そのような中、令和4年度に環境省近畿地方環境事務所による災害廃棄物処理住民啓発モデル事業を実施し、住民参加型模擬訓練の実施と災害廃棄物処理ハンドブックを作成することができました。

もっとも強く印象に残ったこと

 どの被災地の状況に対しても心苦しい気持ちが強く残っていますが、支援活動の際に心身ともにダメージを受けておられる被災者から感謝の言葉をかけていただいたことが最も強く心に残っております。初めて被災地支援に参加した際は、あまりにも多くの災害廃棄物に対して自分たちの活動は意味があるのかと思ってしまいました。被災地で私たちができることは僅かであり、失ったものは取り戻せないことが多いです。しかし、被災者から感謝の言葉をかけていただいたことで、たとえ少しであっても被災地の復興は被災者の心の復興につながっていると思いました

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 令和5年度には本市においても災害廃棄物処理計画を策定し、災害廃棄物処理ハンドブックを公開するとともに、出前講座の中に災害廃棄物対策の内容を取り入れ始めました。
 令和6年4月には令和6年能登半島地震の支援活動に参加して避難所の生活ごみや災害廃棄物の収集運搬を行いました。
 今後は災害廃棄物対策をいかに通常業務に組み込んで実務化させるかが課題です。その足掛かりとして、今年度は災害廃棄物処理支援員制度に登録し、知見の継承や発展を図りたいと考えています。

災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報

 他自治体の取り組みは常に気になっています。災害廃棄物対策は想定通りにはいかないものですが、日頃から具体的な事例を知っておくことで少しでも想定に近づけるための行動を選択できると考えています。
 また、私は現場作業員であることから現場目線の情報を共有したいです。被災地の状況や扱う廃棄物に合わせた車両の選択と運用方法、作業方法や装備の情報を共有したいです。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 これまでに多くの災害が発生したことで支援のシステムが整備され、能登半島地震での支援活動では多くの自治体によって息の長い支援が行われていると実感しました。全国的に災害支援や防災に対する意識の向上を感じられるようになった今日において、災害廃棄物という部門に対する意識を関係者のみならず住民の皆さんにも深く浸透させていきたいです。

スマートフォン用ページで見る