関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】河野賢史(かわのさとし)

河野賢史(かわのさとし)

延岡市 市民環境部 資源対策課 地域連携係(宮崎県出身)
(2024/5/31掲載)

リレー寄稿_河野賢史

災害廃棄物に関わったきっかけ

 本市は、市街地を四つの一級河川が貫流し、東に面する日向灘に流れ込んでいます。そういった地理的状況のなか、台風の通り道となることも多く、度々、水害や竜巻による被害を受けています。
 私は、平成12年に市直営の収集作業員として入庁して以来、市内で発生した災害廃棄物の収集や災害廃棄物処理計画の策定等に携わっています。

もっとも強く印象に残ったこと

 平成17年9月の台風により大きな被害を受けた際、市内のいたるところに勝手置場が発生し、片づけごみが混合状態で山積みになりました。
 通常の生活ごみを収集しながら、暗くなるまで、土曜も日曜も休みなしで作業しましたが、どこに排出されているかわからない片づけごみを分別しながら収集しなければならず、なかなか作業が進みませんでした。その上、回収した翌日にはまた同じ分だけ片づけごみが山積みになる日々が続き、連日、現場や電話で多くの問合せ等を受けました。
 この時の教訓をもとに、本市では、災害廃棄物の迅速な処理を目的として、災害廃棄物の地区集積所を市内全域に約900箇所、最低、区に1箇所選定し活用しています。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 令和4年9月の台風災害の際、市内の一部で初動対応が上手くいかず勝手置場の発生や片づけごみの混廃化を招いてしまったことから、翌年、住民向けの災害廃棄物ハンドブックの作成や職員向けの災害対策マニュアルの見直しを行いました。今後も継続して平時からの周知啓発やマニュアル等の見直しに取り組んでいきたいと思います。

災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報

 一括りに災害廃棄物といっても、災害の種類や規模、被災地域の特性等によって対応が異なってくると思います。本市でも、これまでの経験等を踏まえながら準備はしていますが、全国各地で発生している災害の対応事例等が共有できると、対応の幅も広がり、よりよい備えができるのかなと思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害廃棄物の混廃化を防ぎ迅速かつ適正に処理するためには、住民等の理解と協力が不可欠であるとともに、発災後の初動対応が重要ですが、これからは、少子高齢化や人口減少に伴う自治会活動の変化、行革等に伴う組織体制の変化といったことも考えながら備えていく必要があるのかなと感じています。

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