災害廃棄物情報プラットフォーム編集部
2024年3月
目次
1.はじめに
倉敷市では、市民向けに災害廃棄物処理ハンドブックを作成し、機会があるたびに配布して災害ごみに対する市民の協力を得ていく取組を進めてきました。しかし、平成 30 年 7 月の西日本豪雨から時間がたつにつれて、災害ごみに対する記憶が薄らいでいく危機感から、市民への啓発の取組として、令和 5 年度くらしき防災フェア(令和5年 11 月 23 日開催)で災害ごみの分別ゲームを実施しました。
令和 5 年度くらしき防災フェア(水島中央公園)
一般廃棄物対策課のブース
くらしき環境キャラクター
くらいふ
2.きっかけ
倉敷古城池高校の生徒が、川に捨てられているプラスチックごみの調査と削減対策に取り組み、市役所と関わりができたところへ、市から災害ごみに関わる取組への声掛けをしたことで、市と高校生の連携が始まりました。
生徒たちは、平成 30 年 7 月西日本豪雨の被災経験はなく、災害ごみのことは知りませんでした。水害ではごみが泥だらけになるため、被災者が分別することは容易ではないだろうと考えながら、市のハンドブックなどで災害ごみを知っていく中で、災害ごみの分別ゲームのヒントを高校生がポスターにしました。
倉敷古城池高校のみなさん
ポスター1
ポスター2
ポスター3
3.災害ごみ分別ゲームに挑戦
災害ごみ分別ゲームは、災害時にごみとなる畳やタンス、ソファ、自転車、電子レンジ、洗濯機、消火器、そして家庭ごみについて、仮置場に見立てたシート上の分別区分、可燃物、不燃物、ソファ、畳、金属、小型家電、家電、危険物のどこに分類するかを考えて、貼り付けるものです。
「ごみの分別なんて簡単だよ!」と言って挑戦した小学生は、普段出している容器包装ごみや資源物、生ごみとは異なるものばかりで、戸惑っていましたが、高校生スタッフがヒントを出したり、ポスターで説明しながら、無事に災害ごみを分別することができました。
参加者は、ポスターを丁寧に見ていき、最後に「災害ごみについて関心を持ったか」、「災害ごみの分別が分かったか」にシールを貼り付けて回答しました。
家のシート上のごみを仮置場に見立てたシート上の分別区分へ貼り付ける
4.ポスター作り・説明で工夫したこと
ポスターは、分別区分ごとに色分けをして、イラストが上手な1年生が描き、標題や手書きの文字にもこだわり、漢字には読み仮名をふって、参加する子どもたちがわかりやすいようにぎりぎりまで改善していったそうです。
説明の時は、子どもの目線に合わせてひざまずいて説明したり、正解の時にはほめてあげて、ヒントをあげながら正解へ導いていました。
子供や大人との対話➀
子供や大人との会話➁
おわりに
くらしき防災フェアの一般廃棄物対策課のブースには、数百人の親子が訪れて、主に子どもがゲームにチャレンジし、答えにつまっているところへ高校生スタッフの説明を大人たちも聞くことで、子どもも大人も災害ごみについて楽しく学ぶ場となっていました。
普段は考えることのない災害ごみについて、防災フェアの一環として多くの人へ災害ごみについて伝え、考える貴重な機会になったといえます。