関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】草場潤一(くさばじゅんいち)

草場潤一(くさばじゅんいち)

佐賀県 県民環境部 循環型社会推進課(佐賀県出身)
(2024/1/31掲載)

リレー寄稿_草場潤一

災害廃棄物に関わったきっかけ

 令和3年8月豪雨災害により佐賀県内で多くの災害廃棄物が発生したことから、その対応のため災害廃棄物対策にかかわることになりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 災害廃棄物は一般廃棄物であるため、市町が処理主体として進められるなか、県は被災情報の収集、支援要請の確認、広域調整、補助金申請の支援等に取り組みました。
 発災初期には被災市町の災害廃棄物処理のキーパーソンになる方と連絡が繋がらないため情報が錯綜したこと、広域調整のため余力のある廃棄物処理施設を調査した際に受入条件(搬入車両の大きさ)の確認が不十分であったこと、災害等廃棄物処理事業費補助金の活用に関する注意事項の伝達が十分ではなかったこと等から、事前準備の重要性を痛感しました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 佐賀県では令和元年8月にも豪雨災害により県内で多くの災害廃棄物が発生したことから、県内市町職員の災害廃棄物処理対応力向上や関係者の連携体制構築等を目的とした事業(座学研修、図上訓練、関係者の意見交換会等)を令和3年度から実施しています。とりわけ、発災初期において実際に使えるマニュアル作成に取り組んでおり、今年度中に関係団体と共有する予定です。

災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報

 佐賀県内の市町では、被災情報が伝わってこないため仮置場設置の決定に時間を要した事例、被害を過大に想定し不要な仮置場を設置してしまった事例等がありました。
 仮置場設置を判断しなければならない発災初期には被災の程度が分からないため、災害廃棄物発生量の推計式に基づく推計ができず、仮置場設置の判断に苦慮されることになました。仮置場設置の判断に寄与する情報(GIS情報の活用による被災規模推計等)について、簡易に取得できる仕組みがあればと思いました。
 また、堆積土砂の処分について、被災市町内での連携がうまくいかなかった事例もあったことから、環境部局だけでなく、関連部局とは平時から連携をとっておく必要があると思いました。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 実際の災害廃棄物処理対応では多くの皆様から助言や協力をいただきました。また、その後の本県の災害廃棄物対策研修会等においても多数の御協力をいただきました。
 実際の災害廃棄物処理対応だけでなく、研修会等の事前の備えの段階で全国的に協力しあえる関係が続けば、対応力がより向上していくものと思います。

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