関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】亀井千亜紀(かめいちあき)

亀井千亜紀(かめいちあき)

応用地質株式会社 地球環境事業部 資源循環マネジメント部 (山形県)
(2023/12/27掲載)

リレー寄稿_村上慎一

災害廃棄物に関わったきっかけ

 東日本大震災での岩手県や福島県の災害廃棄物処理計画や処理に関わる施工監理業務に携わったことがきっかけです。
 大学では最終処分場に係る研究に取り組み、入社後は廃棄物関連の業務に携わっていたことから、東日本大震災の災害廃棄物処理業務に携わることとなりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 東日本大震災では、津波によって発生した大量の廃棄物を目の前に、これからどうやって処理をすればいいのか最初は理解ができませんでした。業務では、災害廃棄物処理全体の進捗の見える化に取り組みました。各被災地の仮置場の状況を定期的に確認すること、現場との情報共有を密にすることで、災害廃棄物処理が進んでいることが1日でも早い復旧復興につながればと思い業務に取り組みました。
 東日本大震災の対応以降、平成28年台風10号、平成30年7月豪雨、胆振東部地震、令和2年7月豪雨等、様々な自然災害で発生した災害廃棄物対応に携わっております。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 近年では災害廃棄物処理計画の策定だけではなく、より実効性を高める活動が求められています。災害廃棄物対応をスムーズに実行するためには、まず初動対応が重要となることから、初動対応に対するマニュアルの作成が進められています。また、災害廃棄物に対する住民理解を得ることも、円滑な処理につながることから、住民に対する啓発活動に携わることも増えてきました。
 災害が発生しないことが一番ですが、もし発災してしまった場合でも、迅速に災害廃棄物を処理し復旧復興の妨げとならないような対応を可能とするような、平時の準備のお手伝いができればと思っています。

災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報

 前述したとおり、災害廃棄物処理をスムーズに実施するために、平時からできる準備を一つでも多くしておくことが重要だと思っています。また、自治体においては定期的に担当者が変わると思いますので、継続した研修や訓練等でご協力できればと思っています。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 今年度もD.Waste-Netの活動に参加しました。初動対応はかなり混乱すること、情報の整理や共有が大切だと改めて実感しました。便利なツールも増えていますので、短期間で関係者が使いこなせるような方法を、関係機関全体で調整していただけるとよいなと感じました。

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