関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】松尾大造(まつおたいぞう)

松尾大造(まつおたいぞう)

武雄市 環境部 環境課 廃棄物係 係長(佐賀県出身)
(2023/12/27掲載)

リレー寄稿_村上慎一

災害廃棄物に関わったきっかけ

 令和元年8月の大雨による災害が起き、その整理が完了していない令和2年4月に着任した。当時、数十年に一度の災害と言われていたが、令和3年8月に再び大雨による災害が発生し、災害廃棄物処理の実務に携わった。

もっとも強く印象に残ったこと

 事前の準備不足もあり、災害廃棄物仮置場開設初日に搬入車両による渋滞を引き起こし、その様子はマスコミにも取り上げられた。長い車列に向かい、お詫びに走ったことを記憶している。また、現場でのマスコミ取材の対応に苦慮したことも憶えている。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 災害廃棄物処理計画はもとより、具体的な行動につながるマニュアルの整備の必要性を実感し、事前にできること、発災時すぐに行うべきこと、発災後復旧に向けて取り組む手順等を具体的に整理している。

災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報

 災害廃棄物仮置場の選定は非常に難しい。仮置場の開設は考えるが復旧までは考えが及ばない。グラウンド等を使用した場合、表層土の剥ぎ取り処分、新規土搬入後の舗装、ポイントマーク等の修復と手間がかかる。開設前に敷鉄板等の仮設工を行い、経費や復旧までの期間にメリットがあるかを検討したほうが良い。しかし、被災者の早く片付けに取り掛かりたいという要望から、開設を早期に行うことを求められ、この判断が難しい。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 短い間に2度の大規模な水害に見舞われた。近年の線状降水帯の発生は、頻繁かつ突然発生するもので想定を上回る。そのため、過去にとらわれない事前の備えが必要である。廃棄物処理において、関係機関や団体、近隣自治体の協力なしでは進まない。また、消防団やボランティア等のマンパワーは復旧に向けた大きな力だったと感じた。復旧に御協力頂いた全ての方に感謝申し上げたい。

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