関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】藤野貴之(ふじのたかゆき)

藤野貴之(ふじのたかゆき)

福岡市環境局 計画課 計画係長 (福岡県出身)
(2023/11/30掲載)

リレー寄稿_村上慎一

災害廃棄物に関わったきっかけ

 発災直後から、災害支援やごみ処理の実務経験を有する基礎自治体が被災市町村をサポートする仕組みを九州市長会として構築することが決定し、その具体的なスキーム等を検討・調整していくため、九州市長会防災部会事務局を担う本市に新設された「災害廃棄物処理支援担当」に配属されたことが、災害廃棄物に関わるきっかけです。 

もっとも強く印象に残ったこと

 令和2年7月豪雨時に人吉市や球磨村へ支援を行った際、私の想像を超える大量の災害廃棄物が発生していたため、一日でも早く居住地域近傍から災害廃棄物を撤去することが重要だと強く思いました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在配属されている計画課では、「福岡市災害廃棄物処理計画」の改定、「福岡市災害廃棄物処理計画実施マニュアル」の策定を行うとともに、本市における災害廃棄物対応力向上のため、職員研修等を行っています。さらに、九州市長会防災部会の環境部門の事務局であることから、九州内で大規模な災害が発生した際には、九州市長会としての支援が必要かなどについて調査・防災部会構成市による広域支援の調整を行います。
 九州市長会の災害廃棄物処理支援が必要との判断がなされたことは幸いにもありませんが、激甚化・頻発化する豪雨災害を踏まえますと、今後、支援が必要となることが想定されます。防災部会構成市間の連携を強化するとともに、支援を行っていく中で必要な改善等を行うことなどにより、災害廃棄物の迅速な処理を行い、被災地の復旧・復興に貢献していきたいと考えています。

災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報

 災害発生時の住民への廃棄物関係の案内・チラシなどのデータや災害対応時に苦労したことなどをまとめた資料があれば、本市被災時に非常に役に立つので共有してもらいたい。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害の広域化により複数の県が被災することも多数あるため、県域を越えた国主導での広域支援の仕組みの導入が今後必要になるのではないかと考えています。
 また、「災害廃棄物処理支援員制度」がより効果的なものとなるよう環境省には随時見直しを行ってもらうとともに、災害廃棄物処理計画の実行性の検証体制の構築や計画策定後の訓練や研修の支援の充実などについてもご検討いただきたいと思っております。

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