古田秀雄(ふるたひでお)
株式会社建設技術研究所 東京本社資源循環・エネルギー部 上級技術者 (大分県)
(2023/10/31掲載)
災害廃棄物に関わったきっかけ
私は長年廃棄物や最終処分場に関する調査、計画、設計などのコンサルタント業務や研究開発に従事しています。災害廃棄物に初めて接したのは阪神・淡路大震災ですが、実際に業務や研究として携わったのは、東日本大震災からです。
もっとも強く印象に残ったこと
阪神・淡路大震災での神戸市内の阪神高速道路やビルの倒壊による膨大なコンクリートがらや公園に高く積まれた解体廃棄物やがれきの山、東日本大震災での想像をはるかに超えた津波堆積物や南相馬市で行った災害廃棄物の手選別実験、平成28年熊本地震での熊本城の崩壊やステーションに混合状態で積まれた片付けごみや生活ごみの山、最近では令和2年7月豪雨、学生時代河川の水質シミュレーション等の研究で何度も滞在した球磨川沿いの被害と水害廃棄物など、これらの災害の大きさとともにそれぞれの災害廃棄物の状況が今も強く印象に残っています。
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
東日本大震災以降、現(一社)持続可能社会推進コンサルタント協会(以下「持続コン協」といいます。)や(一社)廃棄物資源循環学会における対策委員会や検討会での活動、国や自治体の災害廃棄物処理計画策定支援や災害廃棄物関係の調査、仮置場の設計等に携わっています。最近では、自治体の災害廃棄物のワークショップ、図上演習及び仮置場訓練などの研修支援業務に関わることも多くなっています。また、令和2年7月豪雨では持続コン協の一員として災害廃棄物支援ネットワーク(D.Waste-Net)の活動で熊本県人吉市や八代市の被災地支援に少しだけ参加させていただきました。
今後は災害廃棄物関連業務だけでなく、これまでの経験を活かしてD.Waste-Netなどの支援活動に積極的に参加したいと考えています。
災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報
災害ごとに規模や種類、事前の種類別災害廃棄物発生量と実際の種類別災害廃棄物量、仮置場の面積、分別区分、運用期間、災害廃棄物処理フロー、人員、処理先の情報、処理期間などの情報や知見を整理して共有できればと思います。
その他、災害廃棄物対策に関する思いなど
今年は特に異常気象が常態化し全国で水害が多発しています。南海トラフ地震も今後30年以内に発生する確率が70から80%といわれており、いつ起きてもおかしくありません。このような状況下、災害廃棄物対策はより重要になってくると考えられます。したがって、災害廃棄物に関わるコンサルタントとして、災害廃棄物対策の課題解決に少しでも役立つよう取組んでいきたいと考えています。