村上慎一(むらかみしんいち)
熊本市環境局 総括審議員 資源循環部長 (熊本県)
(2023/9/29掲載)
災害廃棄物に関わったきっかけ
平成 28 年 4 月 1 日に東部クリーンセンター所長に配属され、初めて廃棄物というものにかかわることになり、その直後の平成 28 年 4 月 14 日と 4 月 16 に震度 7 を観測した熊本地震に見舞われ、廃棄物の何の知識もないままに災害廃棄物処理に奔走することとなりま
した。
もっとも強く印象に残ったこと
発災後混乱している中で、すぐに環境省からの派遣、全国都市清掃会議からの全国自治体への支援要請、全国清掃事業連合会をはじめとした民間事業者の方の支援を受け、収集支援で36団体、延べ人数 7,045 人 延べ車両台数 2,443 台の支援のおかげで、早期に災害廃棄
物を処理することができました。支援に来ていただいた方々と現場で一緒に作業をさせていただく中で、他都市のために必死に作業していただいた光景が今でも鮮明に記憶に残っています。
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
熊本地震で多くの方に助けていただいたことに、深く感謝しており、恩返しをしたく、その後発生した災害で被災した市町村に災害廃棄物処理の支援に入らせていただいており、本市として12市町村、私自身も8市町村に行かせていただいています。今後もこの経験を
活かし、無い方が良いけれども、災害が発生した場合には、何か役に立つことがあればお手伝いをさせていただきたいと思っています。
災害情報対策に関してほしい情報、共有したい情報
災害廃棄物処理は通常の廃棄物処理と異なるため、日常では知識の習得は難しいと思います。研修を受けての人材育成も重要だと思われますが、災害支援に入っている職員等での意見交換で生の声を聴く中での育成も必要だと思っています。
その他、災害廃棄物対策に関する思いなど
熊本地震の教訓を活かし、現在、災害時の災害廃棄物の処理に関して、福岡市、北九州市、熊本市で連携し、お互いの都市が被災した場合はもちろんのこと、九州で災害があった場合、その対応を電話1本で出動できる体制を取っています。そのために日頃から情報交換を行い「顔の見える化」を行っており、このような繋がりがもっと広がれば良いと思っています。