関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】遠藤和人(えんどうかずと)

遠藤和人(えんどうかずと)

国立環境研究所 福島地域協働研究拠点 廃棄物・資源循環研究室 室長(東京都出身)
(2023/1/31掲載)

リレー寄稿_遠藤和人

災害廃棄物に関わったきっかけ

 東日本大震災当時、茨城県におり、それなりに被災したことと、災害廃棄物対応として岩手県沿岸部に派遣されたことがきっかけです。この時は「絆」という合い言葉で、皆さんが同じ方向を向いていたように感じています。

もっとも強く印象に残ったこと

 何も無くなった敷地に手を合わせている小さなご兄姉の姿は脳裏に焼き付いています。また、復興に携わっている地元の方々が、とても熱い、そしてとても強い気持ちで対応されている姿は印象に残っています。私個人としては、ここには書けない体験も多々あり、色々な意味で涙脆くなっていたことを思い出します(未だ完治しておりませんが…)。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 津波堆積物(処理したものを含む)を地盤材料として利用する事に異存ありませんが、ふるい下残さを地盤材料として利用するのには限界があると思っています。が、どこが限界なのかという境界が曖昧なため、それをうまく表現することができません。これは、廃棄物混じり土の定義にも通じるものがありますので、生活環境保全と廃棄物行政との落とし所について取り組みたいと思っています。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 再生製品の利用における環境安全性の考え方は、平常時も災害時も同じでなければなりません。しかし、災害時の運用は多少ルーズになっていたと思われます。その事が問題であったとは全く思いませんが、災害廃棄物由来の再生製品(分別土砂を含む)がどこで使用されていて、現在どうなっているのか、という情報は知りたいと思っています。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 東日本大震災から、何度も激甚災害に見舞われていますが、災害廃棄物の処理が段々とシステマチックになってきた印象があります。それは良い方向性とは思いますが、同時に、被災住民の想いに寄り添うことも大切なので、いつでもFace to Faceの対応を忘れないでいたいと思います。

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