中野正樹(なかのまさき)
名古屋大学 大学院工学研究科 土木工学専攻 教授(神奈川県出身)
(2022/11/30掲載)
災害廃棄物に関わったきっかけ
専門が地盤工学で、発生土の有効利用の研究などを行っておりましたが、東日本大震災が起こり何か貢献できないかと思い、地盤工学会において設置された地盤環境研究委員会に委員として参画しました。委員会活動の中でいろいろな方と出会い、大いに刺激を受け、大量に発生した津波堆積土砂の復興資材としての有効利用の研究を進めようと思いました。
もっとも強く印象に残ったこと
東日本大震災から2ヶ月後に視察にいった被災地の風景。中でも女川町立病院から町を見下ろすと、町のほとんどが破壊され、山のふもとまで津波の痕跡があり、高台にあった病院も一階部分が津波被害を受けていたことなど。
また、東日本大震災だけでなく、その後頻繁に発生した豪雨災害の視察においても、災害廃棄物処理を担当する自治体職員の方や関係者が、疲労困憊の中、必死に町の復興にご尽力されている姿。
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
地震津波災害や風水害で発生する木片混じりの混合物の分別土に対し、木片腐朽を考慮した力学挙動を把握し、それを力学モデルで表現したいと思います。また木片に限らず様々な夾雑物の混合土砂の力学挙動も把握、モデル化していきたいと思います。
被災した自治体の担当職員が、無理なく効率的に災害廃棄物処理・利用が実施できるようなシステムを作り上げたいと思います。
災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報
木片腐朽を考慮した木片分別土の力学挙動把握のため、木片腐朽のメカニズム・促進に関する研究・技術についての情報や、土中の木片腐朽現象の詳細情報(どのくらいかかるのか、完全腐朽するまでに土は何らかの変化があるのか等)。