関係者とつながるリレー寄稿 Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】釜崎清徳(かまさききよのり)

釜崎清徳(かまさききよのり)

株式会社三協環境開発 専務取締役(佐賀県出身)
(2022/7/29掲載)

釜崎清徳(かまさききよのり)氏

災害廃棄物に関わったきっかけ

 令和元年佐賀県武雄市で発生した水害での災害廃棄物処理業務で管理責任者をさせていただいたのがきっかけでした。また翌年の熊本県人吉市での水害時は7ヶ月間の仮置き場での現場作業、令和3年には再び武雄市で水害が起こり、元年同様、廃棄物処理業務に従事する事となりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 発災後、多くの方が仮置き場に廃棄物をお持ち込みになり、周辺の交通への影響など仮置き場内外の混乱が数日続いたことが印象に残っています。また、持ち込まれる廃棄物も混載が多くスムーズな荷下ろし作業が進まなかった事も記憶に残っています。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 佐賀県では県が主体となり、業者を交え、ほぼすべての市町とエリアごとに災害廃棄物に関する意見交換会を行わせて頂きました。また今後もコロナ禍での災害時の仮置き場の人員不足の問題など、平時から出来る準備の大切さなどをお伝えできればと思います。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 発災後の数日間でいかに廃棄物を受け入れる体制を整えるかが大切です。その中で住民の方へ平時からのアプローチも非常に重要なポイントですので、各自治体で取り組まれている対策など情報があれば共有して頂きたいと思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害時は自治体、処理業者、住民、皆が手を取り合うことが重要です。皆が混乱している中で多くの心無い言葉を私自身も受けましたし、自治体職員の方であれば尚更の事かと思います。また、武雄市では被災翌日に仮置き場を開設しましたが、事前準備期間が無く、持込車両の整理、廃棄物の受け入れに多くの問題が発生しました。早い復旧に力を注ぎたい気持ちは理解できるのですが、設備が不足している中、受け入れを行うことは非常に困難な事です。各行政で想定されている災害の規模は様々ですが、いつどこで起きるかわからない災害に対し、既存対策の訓練、検証、改善は是非取り組んで頂きたいと思います。加えて、災害廃棄物に関しては通常と異なる分別を住民にお願いすることがありますので、平時から情報発信を行うことが大事ではないかと思います。

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