関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】藤原健史(ふじわらたけし)

藤原健史(ふじわらたけし)

岡山大学学術研究院 環境生命科学学域 教授(大阪府出身)
(2022/5/31掲載)

藤原健史(ふじわらたけし)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 2007年に岡山大学に赴任した時に災害廃棄物の排出経過とその処理対応に興味を持ち、2004年台風16号による倉敷市の高潮災害や2009年台風9号による兵庫県作用町の洪水災害における災害廃棄物の発生について調査しました。2011年東日本大震災では仮置場のがれき堆積量の推計にトライしました。2018年倉敷市真備町の洪水災害では、現地観察やアンケート調査を行いました。

もっとも強く印象に残ったこと

 倉敷市真備町の洪水災害時に、発災1週間後から時々現地に入り、被災家屋からのごみ排出実態をよく知ることができました。その時、国道沿いや鉄道高架下に不法投棄場が自然発生する様子が印象的でした。発災直後から災害廃棄物マネジメントを的確に行うことが重要だと思いました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 真備町の被災者アンケート調査の結果をもとに、発災後の災害廃棄物排出過程をモデル化し、排出量を予測したり、それに合わせて収集計画を立てる研究を行っています。また、環境省の災害廃棄物対策中国四国ブロック協議会に参加させてもらっているので、自治体間の災害廃棄物処理の連携対応に役に立つことをしたいと思っています。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 被災者に対するごみ排出先や出し方、収集予定、ボランティアの入り方などの情報提供や、被災現場におけるごみ出し状況の情報収集など、行政と被災現場の間の迅速な情報共有について検討する必要があると思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害の多い年には災害廃棄物への関心も高まりますが、災害が少ないと関心が減るという波があると思います。常日頃から事前準備や対応訓練を怠らないことが重要だと思います。

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