関係者とつながるリレー寄稿 Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】石坂広徳(いしざかひろのり)

石坂広徳(いしざかひろのり)

有価物回収協業組合石坂グループ 本部長(熊本県出身)
(2022/5/31掲載)

石坂広徳(いしざかひろのり)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成28年熊本地震で二次仮置場所長として約2年余り災害廃棄物処理に携わったことがきっかけでした。その経験を元に平成30年豪雨災害では岡山県倉敷市にて熊本地震のプラントを再活用して約1年8ヵ月間にわたり処理を行いました。さらに、令和2年豪雨災害では熊本県人吉市で初動時より約1年9ヵ月間仮置場所長として携わり、合わせて約6年間、地震と水害による災害廃棄物の処理を経験させて頂きました。

もっとも強く印象に残ったこと

 熊本地震では、見たことがない早さで次々に廃棄物の山ができ、中でも混合廃棄物は近くに処分場が無く、海上コンテナを使って広域処理をしたことが印象に残っています。
 倉敷の水害では、見渡す限りの混合廃棄物の山を目の当たりにして気が遠くなる思いをしました。始めは課題も多く、試行錯誤しながら軌道に乗せたことを思い出します。
 人吉の水害では、仮置場へ向かう長蛇の列ができましたが、市民の分別協力とファストレーン方式による単品車両の優先搬入により日に日に渋滞が緩和されていった様子が印象的でした。

人吉仮置場(開設1週間後)

人吉仮置場(開設1週間後)

人吉仮置場ファストレーン方式による搬入状況

人吉仮置場ファストレーン方式による搬入状況

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 この6年間で何度か災害廃棄物処理の経験について自治体の方や業界の方に話す機会がありました。地震も水害も特性が異なり、また自治体により分別方法、回収方法なども様々であり、市民の方へ平常時から伝えておくことがいかに大事かを伝えてきました。
 今後は、過去の経験を活かすためにも取り組んできたことを『映像・画像』を用い、『記憶より記録』の大切さ、『伝えるより伝わる』ことの大事さにこだわり伝えていきたいと思います。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害では初動が全てと言えるほど初動時の取り組みが大事です。環境省が作成している『初動時の対応の手引き』をベースに、国の補助金事業として行う上で必要なエビデンス(証拠)が何であるのかを前もって情報共有できれば初動時に早い段階で機能することができると思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 中小規模の自治体では環境業務の職員数が少なく、異動直後に災害が起これば専門知識がないまま対応せねばならず、罵声を浴びせられている姿を幾度となく目の当たりにしました。『処理計画』を立て災害協定を結んでいても、いざ災害が起きれば『絵に描いた餅』になってしまい、ほとんどの業務は起こった後に考えているのが現状です。
 人吉市では初動時に他の自治体の方へは場内の案内誘導、自衛隊の方には水を含んだ畳や家電品など重量物に特化した回収をお願いしました。『適材適所』に取り組むことが組織を機能させるにはまず大事だと思いました。
 毎年のように起こる災害。組織を機能させるにはそれぞれ立場が違う人々を素早くマネージメントできる人材が育成できているかが鍵を握っていると思います。『人材育成』の必要性と中小規模の自治体に素早く手を差し伸べることができる応援体制を考えておくことが急務だと思います。
【参考】災害廃棄物処理方式「人吉モデル」(動画)

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