横須賀市資源循環部資源循環政策課
計画調査係 中村彰吾
2021年11月
目次
1.はじめに
2.訓練の概要
(1)日時
(2)当日のスケジュール
(3)場所
(4)参加者
(5)内容
3.おわりに
1. はじめに
横須賀市は人口39万人(令和3年8月現在)、神奈川県の三浦半島に位置し東西を海に囲まれています。
近年、全国各地で台風などによる災害が頻発する中、幸いなことに本市では仮置場の設置が必要なほどの災害は起きていません。
職員が災害廃棄物に関する研修を受講したり、令和元年の台風15号や19号で千葉県の被災自治体へ支援に行くことにより、災害廃棄物に対する経験や知見は少しずつ積み上げられてきていると思いますが、いざという時に適切に対処できるかどうか危機感を持っています。
そこで、発災時に迅速且つ適切に仮置場を設置、運営できるよう、訓練を行うこととしました。
2. 訓練の概要
(1)日時
令和3年7月20日(火曜日) 13時45分~16時15分
(2)当日のスケジュール
13時45分~14時20分 | 講義、訓練の流れの説明 |
14時30分~15時30分 | 実地訓練(仮置場の開設、仮置場の運営) |
15時45分~16時15分 | 振り返り |
(3)場所
1.講義・振り返り
リサイクルプラザ「アイクル」
(神奈川県横須賀市浦郷町5丁目2391番地)
2.実地訓練
夏島グラウンド
(神奈川県横須賀市浦郷町5丁目2391番地71)
※夏島グラウンドは、本市のリサイクル施設であるアイクルの隣接地です。
訓練を行った場所
(4)参加者
横須賀市 資源循環部職員 | 30名 |
横須賀市 市民部職員 | 2名 |
計 |
32名 |
<視察>
公益財団法人 廃棄物・3R研究財団 職員 | 2名 |
一般社団法人 日本環境衛生センター 職員 | 3名 |
神奈川県 環境農政局環境部 資源循環推進課 職員 | 1名 |
(5)内容
1.講義
公益財団法人廃棄物・3R研究財団のご協力を得て、災害廃棄物の基礎について講義を行いました。(標題:災害廃棄物処理における仮置場と初動対応)
講義の様子
2.実地訓練
(1)仮置場の開設
夏島グラウンド内に三角コーン等で下図のような分別レイアウトや導線を設定しました。
ブルーシートは実際に廃棄物を搬入する品目の場所のみ設置しました。
訓練の様子(レイアウトをもとに、コーンやブルーシートを設置)
(2)仮置場の運営(搬入ロールプレイング)
軽トラック3台に訓練用ごみを積み込み、受付から分別通りに降ろすロールプレイングを行いました。手順としては、まず受付では、職員がごみを確認し、受付表にごみの種類を記入します。受付後、職員がごみを降ろす場所へ誘導します。車両の積み込みによって、分別レイアウトの順に降ろせなかったものは2周しました。最後に、ごみを分類ごとに車両から降ろします。
用意した訓練ごみ
受付の様子
誘導の様子
荷降ろしの様子
荷降ろし後の様子
3.振り返り(参加者からの意見)
実地訓練の終了後、振り返りで感じた課題や意見などを記入してもらいました。主な意見等は以下のとおりです。
(1)資機材について
- 無線や拡声器があるとよい。
- 分別表示の看板は大きいものを用意しないとわかりづらい。番号や色を用いるとわかりやすい。
(2)分別について
- 市民目線で考えると、分別はなるべく簡単にしたほうが、搬入がスムーズになる。一方で、最終的には再生利用先や処分先の受け入れ条件を満たす必要があるため、処理行程を踏まえたうえで分別を検討しなければならない。
(3)人員について
- 交通整理員の配置が必要。また、搬入補助も増やしたほうがいい。
(4)搬入について
- 持ち込まれたごみは持ってきた人が降ろすのか、職員が降ろすのか、はっきりさせるべき。
(5)今後の訓練について
- 他部の職員も動員すべき。
- 資源循環部の職員全員が最低でも1回訓練を経験したほうが良い。
- ごみの種類を増やす。(実際のごみを用意できない場合は段ボール箱などで代用する。)
- 苦情対応や危険物の持ち込みといった搬入者への対応について、具体的なケースを想定した訓練を実施したい。
- 市民の持ち込みによる搬入だけではなく、二次仮置場への搬出を想定した訓練も行いたい。
- 災害の規模や発生する廃棄物の種類(地震と水害等で発生する廃棄物の傾向が異なる)に変化をつけて訓練を実施してはどうか。
- 7月の訓練実施は熱中症の恐れがあるため、比較的涼しい時期に実施したほうがいいが、実際に台風や大雨は今の時期に発生する。
3.おわりに
今回、横須賀市としては初めて災害廃棄物に関する研修、訓練を行いました。
やってみたことで漠然としていた課題が具体的になり、気が付いていなかった問題に気づくことができ、大変有意義な訓練となりました。
今回の訓練を単発で終わらせることなく、参加者から出された課題や意見を活かし、より効果的な訓練を継続して実施してまいります。