2011年3月に発生した東日本大震災において、宮城県石巻ブロックで発生したおよそ300万トンに及ぶ大量の災害廃棄物(混合廃棄物、不燃物、可燃物、津波堆積物)は、石巻港に隣接する雲雀野(ひばりの)埠頭の広大な敷地に設置された2次仮置場の各種処理施設により徹底した選別、再資源化を行い、3年間の計画期間のうちに処理を完了、リサイクル率は85%に達しました。
本動画には2次仮置場の設置から処理完了までの3年間の記録が納められており、全体版動画(約22分)に加え、概要版(約5分)や各工程別版(数分程度)を掲載しております。大規模災害時の2次仮置場における災害廃棄物処理についてのイメージをつかむ自主学習や、研修時に視聴する等の用途に好適です。是非ご覧ください。(宮城県からのご提供を受けて掲載させて頂くものです。)
事業について
災害廃棄物処理事業(石巻ブロック)
場所 :宮城県石巻市雲雀野町外地内
発注者 :宮城県
受託者 :鹿島・清水・西松・佐藤・飛島・竹中土木・若築・橋本・遠藤特定共同企業体
対象区域:石巻市、東松島市、女川町
履行期間:2011年9月~2014年9月
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動画
※本動画を、災害廃棄物情報プラットフォーム上以外の場面で利用されたい場合は、こちらをご覧ください。
全体版・概要版
<全体版:21分58秒>
内容:
0:00~
石巻ブロックでの災害廃棄物・津波堆積物の発生状況
2:00~
タイトル「がれきのない明日へ」/災害廃棄物処理業務スタート/2次仮置場(雲雀野埠頭)の設置
4:25~
2次仮置場のレイアウト
5:23~
各処理工程
13:50~
環境配慮、地域貢献
20:08~
処理業務の終了/エンディング
<概要版:5分35秒>
内容:
0:00~
タイトル「火納め式」/石巻ブロックでの災害廃棄物・津波堆積物の発生状況
2:00~
災害廃棄物処理業務スタート/2次仮置場(雲雀野埠頭)の設置・レイアウト
3:24~
各処理工程概観/再生資材の活用による高リサイクル率達成
4:22~
これまでの処理業務の振り返り/エンディング
補足:本動画中で示されている、石巻ブロックでの災害廃棄物・津波堆積物の発生量及び処理計画期間は処理進行期間時点での数値であり、最終的な数値としては「がれきのない明日へ」動画中よりご参照ください。
工程別版
<計量:トラックスケール:1分35秒>
- 廃棄物を運ぶトラックはすべてこのゲートを通って場内に入ります。
- 計6レーンあるこのトラックスケールでは、廃棄物の重量を計測するほか、ICチップ入り入場許可証をセンサーにかざすことで、車両認証が行われると同時に、どこの一次仮置場からどのルートを通って何を運んできたかの情報が瞬時に登録され、管理を行っています。
<粗選別:重機選別:2分47秒>
- 二次仮置場に運び込まれた廃棄物はまず粗選別ヤードに降ろされます。
- 廃棄物はこの時点では混合廃棄物と呼ばれ、不燃物や可燃物、リサイクルできるものやできないものなどが入り混じった状態になっています。
- この混合廃棄物から回転式分級機などを使用して土砂をふるい落とした後、大きな木くずやコンクリートがら、タイヤ、消火器などの破砕に適さない粗大混合物を重機を利用して取り除きます。
- また混合廃棄物を薄く展開したのち、磁力による選別を行います。
- さらに有害物・危険物・思い出の品などを人の手で取り除き、残った混合廃棄物は次にベルトコンベアに載せられて破砕機へと送られていきます。
<破砕:破砕機:2分06秒>
- 粗選別ヤードで大きすぎる廃棄物や思い出の品などが取り除かれた混合廃棄物は、ベルトコンベアで破砕機に投入されます。
- 破砕機は、土砂類や金属片などの混入物も切断可能な、デンマーク製高性能機M&J6000を4機導入。この破砕機は引きちぎるように破砕するため、漁網等が混入しても絡まらずに破砕でき、漁業が盛んなこの地域の廃棄物の特性を考慮して採用されました。
- 廃棄物は破砕機でおおむね30センチ以下に破砕されます。
- 破砕後の廃棄物はベルトコンベアで破砕選別設備に送られます。
<破砕:コンクリート破砕:2分28秒>
- 一次仮置場から運んできたコンクリートがらや、粗選別ヤード・破砕選別設備で選別されたコンクリートがらは、コンクリート破砕プラントで破砕し、再生砕石として再資源化します。
<選別:振動ふるい:2分12秒>
- 破砕機でおおむね30センチ以下に破砕された廃棄物は、さらにベルトコンベアで破砕選別設備に送られます。
- ここで廃棄物は大型の振動ふるい機にかけられ、大きさが10センチ以上のもの、3センチ以上10センチ未満のもの、3センチ未満のものの3つに分別されます。
<選別:風力選別機:0分53秒>
- 3センチ以上10センチ未満の廃棄物は二次破砕機で再度細かく破砕され、振動スクリーンで土砂をふるい落とした後、風力選別機に送られます。
- 風力選別機の中では、一定の強さで吹き上げられる風によって、投入された廃棄物を重いものと軽いものに分けられる仕組みになっています。これによって細かい廃棄物を可燃物と不燃物とに分別しました。
<選別:手選別ライン:2分54秒>
- 振動ふるい機によって分別された、大きさが10センチ以上の廃棄物は手選別ラインに運ばれます。
- 様々なものが入り混じった廃棄物の中から、金属くず、大きな木くず、瓦、レンガ、アスファルト、コンクリートなどのリサイクル品目をひとつひとつ手作業で取り出し、種類ごとに分別していきました。
<再資源化:土壌洗浄:3分55秒>
- 各選別工程で選別された3センチ未満の廃棄物は、ふるい下土砂として集められ、土壌洗浄設備に運ばれます。
- 土壌洗浄設備はA・Bの2つのプラントに分かれています。
- 破砕選別設備から送られてきた3センチ未満の廃棄物は土壌洗浄プラントAで処理されます。
- 一方、土壌洗浄プラントBでは各一次仮置場から運搬した津波堆積物を処理します。
- 土壌洗浄後に発生する脱水汚泥も、汚泥改質器による不溶化・固化処理により再資源化します。
<再資源化:土質改質:1分32秒>
- 津波堆積物のうち、土壌汚染対策法上、重金属などの特定有害物質が含まれている土砂は土壌洗浄プラントBで、含まれていないものについては土質改質プラントで処理されます。
- 土質改質プラントでは2基の土壌洗浄プラントだけでは処理し切れない津波堆積物やふるい下土砂の不溶化処理も行っています。
- 土壌洗浄後に発生する脱水汚泥も汚泥改質器による不溶化・固化処理により再資源化します。
<再資源化:造粒固化:3分04秒>
- 焼却炉で発生した飛灰はBヤード内に設置した造粒固化プラントで無害化・再資源化処理が行われます。
- 1基当たり1日240トンと360トンの造粒固化能力をもつプラントを1基ずつ、計2基を設置しています。
<焼却:ロータリーキルン:3分17秒>
- リサイクル可能なものを取り除いた後の、木くず、繊維くず、プラスチックくずなどの可燃物は、トラックでBヤードにある焼却施設に運ばれます。
- Bヤードには合計5基の焼却炉があり、こちらはそのうち2基のロータリーキルンです。
- ロータリーキルンは土砂を多く含む可燃物などの焼却に適しています。
- 焼却炉で廃棄物を燃やした後には、灰が発生します。主灰についてはBヤード内の造粒固化プラントに運びます。
<焼却:ストーカ炉:4分04秒>
- Bヤードの5基の焼却炉のうち3基はストーカ炉です。
- ストーカ炉は木くず、紙、プラスチックなどの可燃物焼却に適しています。
- バグフィルターという装置でばいじんや有害物質を除去した灰は飛灰と呼ばれます。
- 飛灰は通常の灰とは区別して集められ、管理型最終処分場へ搬出します。
動画の利用規約
本動画は、災害廃棄物の適正処理の考え方が広く普及することを目的として制作されたものです。
映像の著作権は鹿島建設(株)と(株)Kプロビジョンが所有します。
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