関係者とつながるリレー寄稿 Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】舟山重則(ふなやましげのり)

舟山 重則(ふなやましげのり)

仙台環境開発株式会社 経営企画部長
一般社団法人日本災害対応システムズ 事務局長(神奈川県出身)
(2018/4/13掲載)

舟山 重則(ふなやましげのり)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 仙台の廃棄物処理会社に勤務していたことからこの災害で災害廃棄物処理に関わることになりました。慶長以来400年ぶりの大災害(東日本大震災)に宮城県で遭遇した不運を嘆きながら、この危機を乗り切るために死力を尽くす覚悟をしました。

もっとも強く印象に残ったこと

 燃料や食料が不足し、水道、電気、ガス、電話などインフラが復旧しない中、仙台市の職員の方と片づけゴミの対応に当たりました。時々刻々と変化する状況に迅速に対応するためには、関係者がその役割を全うし協力するとともに、関係者間のコミュニケーションが大切であると感じました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 日本災害対応システムズ(*)の構成会社の一員として、熊本県内の廃棄物処理業者と一緒に熊本地震の災害廃棄物処理に関わりました。災害廃棄物処理現場の最前線で実際に廃棄物をハンドリングすると、現場レベルのことから国の方針に関わるようなことまで多くの課題が見えてきます。これらの課題について現場の立場で考え、機会があれば関係者の方々と意見交換させていただきたいと思います。

*日本災害対応システムズ  http://jdts.or.jp/

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害廃棄物は、災害の種類、規模、場所等で様相が異なるため、現場では状況に適した処理方法を選択する必要があります。また、税金を投入して法に則った処理を行うとともに、最後は現地に何も残らなくなるため、様々な記録を残しながら現場を運営することが欠かせません。地元の方とともに取り組んだ熊本地震では、日本災害対応システムズのメンバーがこれまでの災害対応の経験を踏まえて現場運営の手助けをさせていただきました。災害時の廃棄物処理方法や現場管理について多くの事例を整理し共有する必要があると思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 熊本は災害が多い所なので、熊本地震以前から自治体と地元企業の体制が出来ていました。災害の初動は地元の「絆」にかかっています。平時から災害廃棄物処理計画等をきっかけに地元の「絆」を築き、大規模災害発生時には産学官の専門家が連携してその「絆」を支援していくことが大切だと思います。

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