野口 真一(のぐちしんいち)
一般社団法人泥土リサイクル協会 事務局長(高知県出身)
(2018/4/13掲載)
災害廃棄物に関わったきっかけ
平成18年7月に長野県岡谷市で、大雨により諏訪湖や天竜川に注ぐ市内各所の支流で土石流や河川氾濫が相次いで発生し、大量の災害廃棄物が排出されました。その時に災害廃棄物を分別して現地で有効活用する事業提案したのがきっかけです。
この経験を踏まえ、2009年に地盤工学会九州支部シンポジウムにて、「土砂災害廃棄物の再生利用」について論文発表するとともに、それ以降に発生した大規模土砂災害において、会員企業を通じて災害廃棄物の有効活用について提案してきました。
もっとも強く印象に残ったこと
東日本大震災において、「災害からの復興における災害廃棄物、建設副産物及び産業副産物の有効利用のあり方に関する提言委員会(委員長:京都大学大学院 勝見 武)」の事務局として参画し、「災害からの復興における社会基盤整備への復興資材等の利用のあり方に関する提言」ならびに「災害廃棄物から再生された復興資材の有効活用ガイドライン(以下、ガイドライン)」の策定に携われたことです。
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
分別土砂には木屑等の有機分が混在していることで、土質材料として活用することを躊躇したり、見送られた事案をよく耳にしてきました。そこで、分別土砂中の木屑の分解・消失が土の変形特性にどのように影響するかについて、検証していきたいと考えています。
災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報
有効活用するためには、まずは利用方法ならびに利用先を明確にすることが重要であり、そのためには復興事業において計画時点でガイドラインを活用していただけるよう、平時においてガイドラインに関する勉強会や講演会等で説明するなど、D.Waste-Netの一員として貢献して参ります。
その他、災害廃棄物対策に関する思いなど
市民にとって、一般廃棄物は分別すれば資源であるとの認識はあっても、災害廃棄物は“廃棄物”のラベルが容易にはがれないものだと感じました。災害廃棄物も分別すれば資源であることをわかりやすく啓発していくことが必要だと思っています。