関係者とつながるリレー寄稿 Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】槙岡達真(まきおかたつま)

槙岡 達真(まきおかたつま)

株式会社こっこー 代表取締役会長(広島県出身)
(2019/4/26掲載)

槙岡 達真(まきおかたつま)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成30年7月に発生した西日本豪雨で、広島県と広島県資源循環協会の「地震等大規模災害時における災害廃棄物処理等の協力に関する協定」に基づき、呉市からの支援要請により、災害廃棄物仮置き場での受け入れ作業に当たりました。その後呉市より災害廃棄物仮置き場での受け入れ管理を受託し、災害廃棄物の受け入れ、選別、焼却場への運搬作業を行いました。

もっとも強く印象に残ったこと

 この度の災害では、被災各地の災害廃棄物仮置き場が早期に満杯となり、路上に放置されるなどの状況になりました。幸い私共が管理させて頂いたグランドは十分な広さがあり満杯になることはありませんでした。しかし復旧作業が進んでいくにつれ、搬入されてくる廃棄物の種類(形状)は徐々に変わってきて、分別の判断に困るものが増えてきました。当初区割りした置き場では対応できなくなり、置き場を分散する状況となりその後の処理が非効率になってしまいました。災害廃棄物の仮置き場の場所、広さ、管理方法の重要性を再認識しました。

槙岡達真(まきおかたつま)(広島県呉市の災害廃棄物)の画像

広島県呉市の災害廃棄物
仮置き場の様子(平成31年3月)

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 平成31年1月から「呉市災害廃棄物処理実行計画」による「災害廃棄物仮置き場における災害廃棄物処理業務」を受託し、破砕機、選別機を導入して本年末を目標に処理業務を行っています。
 災害廃棄物の円滑な処理は、災害からの早期復旧・復興にとって重要課題です。災害廃棄物は破損したものも多く、通常のルートでは処理ができないものが多く排出されてきます。これら処理困難物の適正処理、リサイクル推進方策を探っていきたいと思っています。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 大規模災害での廃棄物は雑多で、一時期に大量に発生します。
 災害廃棄物は、自治体による処理が基本ですが、大規模災害では自治体の処理能力を超える場合が多く、産業廃棄物処理業者等への委託処理が行われています。しかしながら行政、廃棄物処理業者共に災害廃棄物対応の経験が乏しく、この度も初動時にはちぐはぐな対応になってしまいました。迅速、円滑な処理を行うにあたり、各地の災害廃棄物処理の体制や方策などの情報を行政、処理業者で共有することが必要だと思います。
 この度の災害廃棄物処理に当たり、リマテック株式会社様には多大のご指導をいただきました。現在処理を継続中ですが、教授いただいたノウハウを少しでも自分たちのものにし、将来に備えていきたいと考えております。

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