関係者とつながるリレー寄稿 Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】片淵昭人(かたぶちあきひと)

片淵 昭人(かたぶちあきひと)

株式会社興徳クリーナー 代表取締役社長
公益社団法人大阪府 産業資源循環協会 会長(大阪府出身)
(2019/7/31掲載)

片淵 昭人(かたぶちあきひと)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 公益社団法人大阪府産業資源循環協会(以下「協会」という。)では、大阪府内の被災市町村から災害廃棄物処理の協力の要請を受けた大阪府がその協力を協会に依頼することにより、協会が実際の処理を支援する旨の協定を、大阪府との間で締結しています。平成18年3月の締結から12年が経過した昨年度、大阪府北部地震や台風21号等(以下「北部地震等」という。)に伴う災害廃棄物の処理を、本協定に基づき支援しました。

もっとも強く印象に残ったこと

 災害廃棄物の処理行程を組むことの難しさです。ご存知のとおり災害廃棄物は、法令上、一般廃棄物に区分されることから、まずは被災市町村内において迅速かつ適正に処理することを考えなければなりません。しかしながら、災害廃棄物の種類・数量や性状如何によっては域内での処理が困難となることも十分にあり得ます。こうした場合、「一般廃棄物の広域処理(越境移動)」について検討しなければならないわけですが、そのためには被災市町村や協力会社との調整・連携だけでなく、災害廃棄物の搬入先となる区域を管轄する市町村の積極的な理解と対応も必要になります。北部地震等に伴う災害廃棄物にあっては、以上の点が十分に得られなかったために、一部その円滑な処理に支障をきたす場面がありました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 北部地震等に伴う災害廃棄物の処理業務を実際に経験することにより、多くの課題が浮彫りとなりました。一つは、現行以上に透明性と実効性の高い支援体制を確保するため、既定の「災害時復旧活動協力規程」を見直し、これに伴う作業手順書の整備・拡充や資機材調査の改善・強化等、所要の補完措置を速やかに講ずる点を挙げることができます。また、もう一つに、上記にあるような支障等が今後生じることのないよう、大阪府及び府内市町村との意識共有や連携強化を目的とした「協議体」の創設を呼びかけていく点を挙げることができます。その足掛かりとして、協会では、大阪府とは別に、府内市町村との間でも個別の協定締結を進めています。現在、大阪市、堺市、泉佐野市と締結済みですが、将来的には府内全市町村との協定締結を完了させたいと考えています。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害廃棄物処理の協力の実例とその際に生じたトラブルや行政庁による指摘事項等について整理されたものがあれば、以降における協会の支援体制や事務作業の高効率化に活用できるのではないかと考えています。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 電気・ガス供給や水道といったライフラインと同様、廃棄物処理は社会インフラです。廃棄物が適正に処理できなくなれば、市民の生活環境を保全することも、公衆衛生の向上を図ることも儘ならなくなり、また企業に対しては経済活動そのものの停止を強いることになるからです。市民、企業が安心して生活、事業を営んでいくためには、如何なる状況下にあっても安定・継続して廃棄物を適正に処理できる存在が不可欠となります。例え大規模な自然災害に見舞われたとしても、速やかに復旧を果たし、引き続き「社会全体の下支え役」を担っていくことは、いわば産業廃棄物処理業界(以下「業界」という。)に求められているCSRなのです。そうした社会的な要請が強くなる中、協会や業界の見え方・在り方が変わりつつある現状を行政をはじめ一般の方々にも広く知っていただければ幸いです。

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