関係者とつながるリレー寄稿 Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】佐伯 敬(さえき たかし)

佐伯 敬(さえき たかし)

株式会社 東和テクノロジー 環境ソリューション事業部 業務部長(山口県出身)
(2019/10/31掲載)

平野 誠也(ひらのせいや)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成27年4月に災害廃棄物対策を主とする部署が社内に設立され、そこに配属されることとなった。災害廃棄物処理計画の策定支援などが主な業務内容だが、その年の9月に関東・東北豪雨が発生し、茨城県常総市の災害廃棄物対策の現地支援に半年間にわたって携わらせていただいたことが本格的なきっかけになった。

もっとも強く印象に残ったこと

 初めて被災現場を訪れたときの、まだ街中のいたるところに無秩序に排出された災害ごみ、消毒のために散布された消石灰でくすんだ空気、その中で、視察メンバーの口数がだんだん少なくなって重苦しい雰囲気になったことを鮮明に記憶している。
 常総市のプロジェクトチームのお手伝いを通じて、メンバーの奮闘を目の当たりにしたこと、災害ボランティアに参加したことは、仕事のうえでも大きな転機になった。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 D.Waste-Netをはじめ、災害廃棄物対策に関する様々な業務や活動に携わる機会が増えた。地方自治体の災害廃棄物処理計画策定の際には、顧客と十分にコミュニケーションを図り、できる限り現地支援などの経験を活かすことを心がけている。
 今後は、これまで得られたノウハウを活かし、実用的な計画策定や関連する様々なプログラムを提案して、顧客の災害対応力向上のために役立ちたいと考えている。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 国でも初動マニュアルを検討されているが、できるだけ早く住家や廃棄物処理施設等の被害状況、人員や資機材、仮置場等の確保の状況を把握し、まずは大まかな発生量と処理フローを検討したうえで、具体的な行動に移すための必要事項を迅速に整理することが重要と考える。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害廃棄物処理は、多方面における連携・協力と多額の費用が必要になる。前者はネットワークを機能させるための平時からの準備、後者は補助金の対象となることを見据えた原則・基本方針を定めておくことが重要だと考える。自分なりに業務や活動の経験を活かし、顧客が躊躇なく行動を起こせる体制づくりに少しでも貢献したいと思っている。

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