岩田 恭典(いわたやすのり)
株式会社西田興産 事業開発部 次長(愛媛県出身)
(2020/8/31掲載)
災害廃棄物に関わったきっかけ
平成30年7月7日に発生した、平成30年度豪雨災害により、大洲市では床上浸水約3000棟、床下浸水約800棟、事業所被害約1000事業所という大きな被害が発生し、災害廃棄物が大量発生しました。
この廃棄物の仮置場運営と最終処分の大部分を弊社が担当することとなり、責任者の補佐として仮置場からの廃棄物搬出が終了するまでの半年弱の間、関わらせていただきました。
もっとも強く印象に残ったこと
当地で大規模な水害が発生したのは10年以上ぶりで、また過去にない規模での水害となりましたので、当初想定した災害廃棄物仮置場が数日で満杯となる勢いで、行政と連携して急遽第1~第5仮置場と複数の仮置場を準備し、それらの運営管理を行う必要が発生しました。
仮置場運営・災害廃棄物最終処分までの間、猛暑が続き火災の発生や熱中症等の人的被害が発生する危険性が非常に高く、また仮置場には被災住民の方々や被災企業から廃棄物が絶えず持ち込まれる為事故が発生する可能性もありました。その対策として、各仮置場に現場責任者を配置し、情報共有を行うためインターネットメッセンジャーにてグループ連絡網を作成し報連相を徹底しましたが、情報共有として非常に有用な手段であったと思います。
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
現在は当地においては災害廃棄物の対策は終了しておりますが、昔から大洲市を流れる肱川は水害を繰り返しており、いつ同様の事態が発生するかもしれません。
防災対策により今後の水害が起こらないことを期待しておりますが、万一発生した際はできる限りの協力を行い、地域に貢献していければと考えております。
災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報
発生当初特にですが、災害廃棄物の発生状況と、どういった廃棄物がどの程度運び込まれるかといった情報が集まらず、終わりが見えない中でどこまでの準備・対策を行ったらよいか不安にさいなまれました。
災害廃棄物の発生状況と量の予測を迅速に情報収集する仕組みと、災害廃棄物の受入ルールの策定と周知徹底が必要だと強く感じました。
その他、災害廃棄物対策に関する思いなど
弊社では土木工事や、産業廃棄物の管理型処分場の運営を行っており、今回の災害において行政と協力し災害廃棄物の受入・処分を担当させていただきました。
平時には想定しない業務となり、普段はあまり関わらない方々と協力して作業を行っていくことで、多様な立場の方々と仕事をさせていただきました。
今回の業務で得た知識を社内で共有し、万一再度このような災害が発生した場合、即時に有効な対応で地域に貢献できるように備えたいと思います。