関係者とつながるリレー寄稿 Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】立石 功(たていしこう)

立石 功(たていしこう)

一般社団法人佐賀県産業資源循環協会 専務理事兼事務局長(佐賀県出身)
(2020/11/30掲載)

立石 功(たていしこう)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 佐賀県を定年退職後、2018年6月に(一社)佐賀県産業資源循環協会事務局に再就職しましたが、協会が災害廃棄物の処理支援を行うことになっていることを知ってからです。

もっとも強く印象に残ったこと

 佐賀県は、自然災害の少ない地域でしたので、市町も県も、そして協会も、十分な備えができていませんでした。そのような中、2019年8月末豪雨で佐賀県が被災し、市町から支援要請があったのですが、市町も協会事務局の私も初めての経験で、段取りがよく分かりませんでした。
 幸い、市町を担当する協会の幹事社が他県での災害廃棄物処理支援の経験、ノウハウがあり、幹事社が中心となって協力会社に再委託することで、何とか処理を終えました。
 印象に残っている点というか、幹事社の苦労、課題について以下に挙げます。

  • 幹事社対応ということが先行してしまい、被災企業であるにもかかわらず幹事社を務めてもらいました。事前に調整すべきでした。
  • 幹事社及び協会事務局は、会員の中から毎日の収集運搬車両を調達するための調整に労力、時間を費やしました。
  • 焼却施設ごとに受入量、サイズ、車両の積載量など条件が異なったため、破砕機の手配、車両の確保が大変でした。
  • 諸経費が認められない中で、単価の設定に苦慮しました。
  • 市町に提出する報告書の作成が大変でした。(日報、写真、伝票等)
  • 市町、県、協会、いずれも、事前に十分な備え、訓練が重要であると思いました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 環境省が、平時の備えの充実の必要性を指摘、指導しています。(公社)全国産業資源循環連合会の助言も参考にしながら、平時から県内の市町との研修や訓練が必要だと思っています。
 佐賀県は、研修会、訓練、図上訓練、仮置場の設置運営訓練、現地視察などを行い、市町、県、関係団体との顔の見える関係を作り、連携体制を構築するとのことですので当協会としても、経験した会員の話や助言も提供しながら、役立つ研修、訓練となるよう期待しています。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 備えておいてよかった点、備えていなかったため苦労した点などの経験情報

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 今回、災害廃棄物処理支援に直面し、熊本県などで支援を経験した方の助言が参考になりました。そして、当協会も支援を経験したことから、経験情報として今後、良かった点、悪かった点をリアルに伝えることができると思います。
 このような全国での経験情報を蓄積して提供し、それを参考にしながら、各々の県の実情に応じて、対応を考えると良いのではないかと思っております。

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