関係者とつながるリレー寄稿 Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】高田昭彦(たかだあきひこ)

高田 昭彦(たかだあきひこ)

復興ボランティア・タスクフォース 代表(富士ゼロックス勤務)
(2021/3/31掲載)

高田 昭彦(たかだあきひこ)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 2000年~2001年と、新潟県柏崎市のNEC新潟に転勤しておりました。その後、中越地震(2004年)、中越沖地震(2007年)と災害ボランティアに参加し、深みにはまっていきました。

もっとも強く印象に残ったこと

 東日本大震災による福島の原発避難者(移住者)の、退去片づけに関わりました。避難解除準備区域であり屋内の家財でさえも放射能を疑われました。ボランティアがゴミ袋の代わりにトン袋を持ち込んだのが、いつの間にやら通常のゴミ袋ではダメとなり苦労しました。でも一番苦労されたのは、避難者(移住者)の方です。避難先の遠地から飛行機でやって来て、ホテル宿泊、レンタカー移動の後、超速で思い出の品を分別廃棄する。もちろん、思い出の品を持ち帰ることは叶いませんでした。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 ボランティアとして、いろいろな被災地で災害廃棄物と関わりました。5年ほど前までは、被災者宅の近くの平常時のゴミ置き場や公道に、水損家具、畳などを並べてよかったことが多かったと記憶しております。廃棄物処理法改正で「仮置き場」の事前選定が進められる近年では、被災者への仮置き場までの運搬が求められ、災害廃棄物運搬をボランティアが代行する事例が増えました。
 ボランティアは暫定的な問題解決として「やります!」と自発的に動くことが多々あります。ボランティアが手を出すと、「行政」「被災地の有料の商売」の邪魔をして、「被災者本人の自立」を遅らせてしまいますが、十分配慮しないと、行政サービスの低下、悪条件の固定化となってしまいます。上手くバランスをとって提言したいところです。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 被災地以外でも、不法投棄物撤去などにも関わっています。行政の処理場への持ち込みを困惑される役所の方も居ますし、各行政でも温度差を感じます。地球環境の改善のためにも、関係者で解決していきたいです。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害ボランティアには長い経験、深い知見もあります。大学の先生などに見いだされて、防災政策に取り入れられることもたまにあります。惜しむらくは、在住/在勤地の行政や、中央行政への情報ルートがほとんど無く、提言が届きにくいことでしょう。
 顔の見える関係作りとよくいわれますが、仕組み作り、仕組みの改善にも力を入れたいところです。

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