濵田 剛子(はまだよしこ)
熊本県建築士会女性部会 建設会社(熊本県出身)
(2021/7/30掲載)
災害廃棄物に関わったきっかけ
風水害や地震による建物損害調査
もっとも強く印象に残ったこと
床上浸水被害の平屋に一人で住まいのお年寄りが、強烈な悪臭の中で工事業者を待つ姿
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
建築設計企画や施工において、被災しても再利用できる材料や、災害に強い設備器具の選定を心がけること
災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報
災害ゴミの受け入れ施設の場所や混雑情報などリアルに知ることができるといいと思う。
その他、災害廃棄物対策に関する思いなど
2021年7月3日に熱海の土石流発生から10日が過ぎた頃、一斉に被害状況の報道から始まり、やがて原因を探る報道に変わっていった。大きな事故が発生すると皆の関心が向く。
私たち建築士は一般の人よりも少し知識がある分、なぜ起こったのか地盤は?構造は?と次々疑問が生じる。学生時代仙台沖地震でブロック塀の倒壊が多く発生し基準が厳しくなった。構造計算の基準自体、災害が起きるたび変わっていった。しかし変わらないものもある。聖書のルカ6:48の記述「その人は家を建てる時に地面を深く掘り下げて岩の上に土台を据えた人のようです。その結果、洪水が生じて川に水が押し寄せても、家はびくともしませんでした。しっかり建てられていたからです」。良い地盤の上に家を建てるのは昔からの変わらない基本となっている。
次に材料。今風の現代住宅の主流は安価に暖かい家を建てるためにボードにクロスと断熱材の使用。確かに昔の家より暖かくエアコンもよく効く。しかしそんな家が浸水被害を受けると合板類やボードは膨らみ壁内部の断熱材は飽和状態まで吸水する。吸水した断熱材は早急に撤去しなければ建物の2次被害につながる。
建築士として災害廃棄物対策で貢献できることは、長く住み続けられる家を建て被災ごみを増やさないよう材料選定に配慮することだと思う。私も持続可能な世界を目指して建築の仕事をしていきたいと思う。