関係者とつながるリレー寄稿 Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】手島洋紀(てじまひろき)

手島 洋紀(てじまひろき)

応用地質株式会社 地球環境事業部 資源循環マネジメント部 (東京都出身)
(2021/11/30掲載)

手島 洋紀(てじまひろき)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 入社して現在の部署に配属されて以来、災害廃棄物の業務に携わっています。大学では火山灰土壌の研究をしていたので、「そもそも廃棄物とは?」というところから勉強し始めました。

もっとも強く印象に残ったこと

 「平成30年7月豪雨」から少し経った頃でしたが、自治体からの依頼を受け現地で調査を行っていた時に、現地にいた方から「調査するだけで、土のうの回収もしないとは、何しにここへ来たんだ。」と言われました。その方が現地の住民の方なのか、ボランティアの方だったのかは分かりません。この言葉にショックを受けたというよりも、災害によって非日常を過ごしている人々のやるせなさを感じ、災害対策・対応に関わる者としてこのような人々を少しでも減らしていけるような仕事をしていきたい、と思いを新たにしました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在は、南海トラフ地震や首都直下地震等における災害廃棄物処理シナリオの検討や、自治体職員の方々を対象とした図上訓練などの研修にも携わっています。今後は、情報技術を災害廃棄物への対策にどのように活用できるか、取り組んでいきたいと考えています。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 近年、豪雨等による水害が多いことから、災害廃棄物の発生量を推計するニーズが高まっています。しかし、推計する上で定まった方法がなく、課題になっていると感じています。また、災害の規模や種類によって災害廃棄物対応の性質は大きく異なるため、今後はそれらを区別した議論が必要と考えています。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害廃棄物業務に携わって7年目になりますが、最近参加した図上訓練の場では、災害廃棄物に関わる方々による顔の見える関係づくりが当初に比べると着実に進んできたなと感じました。災害対応の経験者も増えており、以前より活発な意見交換がなされています。やはり、「継続は力なり」。このリレーのように途絶えることなく輪を広げていくことが一番の取り組みと考え、今後もそのなかで少しでも力になれたらと思っています。

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