関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】吉田英樹(よしだひでき)

吉田英樹(よしだひでき)

国立大学法人 室蘭工業大学大学院 工学研究科 くらし環境系領域社会基盤ユニット 准教授 (北海道出身)
(2018/8/31掲載)

吉田 英樹(よしだひでき)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 2011年9月に東日本大震災岩手県での災害廃棄物仮置場での火災発生につながる温度上昇の現場観測を初めて行ったことです。国立環境研究所のご紹介を受けて、岩手県沿岸のある自治体が管理されている仮置場に定期的に現場に伺って、温度とガス成分の観測を行いました。実際に火災が発生していましたので、現場観測の結果を管理者に報告して、現場管理に役立てていただきました。

もっとも強く印象に残ったこと

 初めて現場に伺った時は、津波被害の大きさにショックを受けました。残っていた建物は大型の鉄筋構造物だけで、それらの建物も窓は破れ、鉄筋構造物は折れ曲がり、津波衝撃の大きさを実感しました。調査を終えて、夕方過ぎに現場を離れる頃には道路照明もなく、あたりが真っ暗な闇に包まれていたのを覚えています。人々の生活の場があれほど根こそぎ奪われた現場というのは実際に見ないと実感できないように思いました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 私の住む北海道もこれまで経験したことのない大規模な洪水災害がここ3年ほどで2回も起こっており、次はいつどこで災害が発生するのかわからない状況です。北海道で災害が起こった時に、他の地域と比べて災害廃棄物の発生量や質も異なる点もあると思います。たとえば、厳冬期に災害が起こった場合にどうなるのか、という点も含めて調査や計画に携わっていきたいと思います。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害廃棄物の発生量や質は災害や地域特性によって大きく変動します。たとえば、北海道の洪水災害では農産物の廃棄物が大量に発生して、処理処分に苦労されたと聞いています。これまで発生した災害での災害廃棄物の発生特性のデータベースがあれば今後の災害対応に役立つのではないでしょうか

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 現場で災害廃棄物対応を担当された方に直接お話を伺うことがとても大切であると思います。その点では、このような災害廃棄物情報プラットフォームを利用することはたいへん有意義なことだと思います。

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