関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】東條安匡(とうじょうやすまさ)

東條安匡(とうじょうやすまさ)

国立大学法人 北海道大学大学院工学研究院 環境創生工学部門 准教授 (千葉県出身)
(2018/9/28掲載)

東條 安匡(とうじょうやすまさ)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 阪神大震災後に廃棄物学会内に作られた自主研究グループ(リーダー:島岡先生)に加えていたことがきっかけです。兵庫県、大阪府内に設置された多数の仮置場を視察した他、当方は北海道なので1993年に発生した北海道南西沖地震、釧路沖地震での廃棄物処理状況の調査も行いました。

もっとも強く印象に残ったこと

 東日本大震災の発災1ヶ月後に岩手県にタスクチームの一員として入りました。すぐに太平洋側の沿岸部を視察に行きましたが、呆然としました。95年の阪神大震災と比べると、津波で何もかもが目茶苦茶に混ざり合っていて、この混合物の適正処理は極めて困難だと感じました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 巨大災害ブロック協議会に加えて頂いていますが、小さな自治体では実行計画や処理計画の策定について意識が低かったり、人材不足から作成自体が難しい状況にあると感じています。計画策定を支援するツールのようなものを作れないかと思っています。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 東日本大震災後の専門家のネットワークは非常に有効に機能したと思います。発災時に同様のネットワークがすぐに立ち上がり支援できる仕組みが重要だと思います。D.Waste-Netのような仕組みはその意味で必ず役に立つと信じます。加えて、過去の災害での対応事例を網羅的に整理しておくことも重要であると思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 東日本大震災の後、すぐに学会内にタスクチームが立ち上がったこと。また国立環境研究所の山田先生が知っている方々を集めネットワークを作ったこと。当方はタスクチームのメーリングリストを管理していましたが、次々に多くの方が協力・支援に立ち上がり、リストに登録してほしいと連絡してきたことに感激していました。この分野の方々は被災地の状況に対して何とか貢献したいと考えていることが本当によくわかりました。

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