関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】川嵜幹生(かわさきみきお)

川嵜幹生(かわさきみきお)

埼玉県環境科学国際センター 資源循環・廃棄物担当 担当部長 (神奈川県出身)
(2020/4/30掲載)

川嵜 幹生(かわさきみきお)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 東日本大震災発災当時、平時の業務や研究で建設系廃棄物中の石綿含有廃棄物対策や、一般廃棄物不燃・粗大ごみの適正処理推進に取り組んでいたため、現地派遣職員・現場作業員への石綿講習や仮置き場での石綿含有建材対策、及び国立環境研究所の災害支援等に加わりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 揺れてお互いにぶつかりそうな高層ビル(東日本大震災発災時都庁から見たビルの様子)、全てを飲み込んでいく黒い津波(避難場所で見たテレビ放送)、津波に流され、崩れた家やがれきの山、建物の基礎だけが残った大地等(宮城県、岩手県での現地調査)、自然のパワーと脅威。津波にのまれ、引き波の時に偶然助かった老人の話。人間の無力さと逞しさ。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在は、災害時の石綿飛散防止対策、県が実施している災害廃棄物対策図上訓練、廃棄物処理施設建設計画時の災害対策等に参加し、これまでの経験等をフィードバックできるように、また、月日を積み重ねるとともに経験・体験した記憶が消えないように、心がけています。
 今後取り組まねばならないと感じていることは、石綿や様々なごみに対する世の中の平常時の取り組みを充実させ、災害時に少しでも困らないようにすること。また、一般廃・産廃の垣根を下げ、“ごみ”“資源”としての適正処理を推進することです。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 実際の災害廃棄物処理(収集、分別、保管、選別、処分)で得られた発見談、ひらめき談、次があったら談、えいやぁで・・・片付けた談などなど、書面に残していない、または、書面に残せない話。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 昨年の台風被害による災害廃棄物処理を見ると、一般・産業廃棄物処理業者の協力体制はかなり整っているように思えました。このような、災害廃棄物処理の取り組みを効果的に公表、広報、利用することによって、産廃・一般廃の垣根を下げ、平時における効率的なごみ処理、例えば、自治体焼却炉での産廃プラ受入れにつなげることができればと考えています。

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