沼田大輔(ぬまただいすけ)
福島大学 経済経営学類 准教授 (兵庫県出身)
(2020/6/30掲載)
災害廃棄物に関わったきっかけ
鈴木慎也先生(福岡大学)に、2016-2017年度に、大阪湾フェニックスセンター 廃棄物の適正処理・水処理に関わる調査研究助成「少子高齢化時代における循環資源の退蔵の実態と適正管理方策に関する研究」に誘って頂いたのがきっかけです。そこでは、災害により、家庭に退蔵されていたと思われる粗大ごみや家電製品などが仮置場などに多く排出され、災害廃棄物として処理されている現状が伺われることに着目しました。そして、それらが、平常時に適正に排出される方策について、住民や自治体へのヒアリング・アンケートなどによって検討しました。
もっとも強く印象に残ったこと
2019年10月の台風19号の豪雨で浸水した福島県福島市と福島県伊達市の被災家屋のボランティアに、私のゼミの有志の学生と参加しました。片付けでドロドロになり、水を吸った畳や布類などが思いのほか重く、重労働で筋肉痛になりました。そして、あらゆる家財が水につかり、目の前で水害ごみに次々となっていくのを目の当たりにしたことが強く印象に残っています。
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
2019年11月に、岡山県倉敷市で開催された、国立環境研究所主催の「「平成30年7月豪雨災害」災害廃棄物処理に係る現地視察・研修会」に参加する機会を頂き、災害廃棄物の仮置場などを視察し、岡山県・倉敷市の災害廃棄物担当の方々のお話を伺い、多くの自治体の災害廃棄物担当の方々、研究者の方々などと議論させて頂きました。研修会後は、福島県のいくつかの仮置場を、自治体の担当者の方々のお話を伺いながら視察させて頂きました。今後は、これらを足掛かりに、災害廃棄物をいかに効率的に減らすかについて、主に住民の視点から考えていきたいと思っています。
災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報
災害廃棄物を減らすための平常時の取り組みについて、主に住民の備えの視点から、情報収集したいと思っています。また、災害発生時の災害廃棄物に関わる住民・ボランティアの行動についても情報収集したいと思っています。
その他、災害廃棄物対策に関する思いなど
家庭由来の災害廃棄物の発生抑制・リデュースをどう進めるかは、平常時の一般廃棄物の発生抑制に向けた取組とは異なる点がいろいろあるように思います。各住民が災害廃棄物の発生抑制に向けた取組について平常時に思いをめぐらす機会があると多少なりとも効果があるのではと思ったりしています。