関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】奥田哲士(おくだてつじ)

奥田哲士(おくだてつじ)

龍谷大学 先端理工学部 環境生態工学課程 教授 (京都府出身)
(2020/11/30掲載)

奥田 哲士(おくだてつじ)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 2011年の東日本大震災の時に、当時は広島に居たので災害の影響はほとんどなかったため、少しでも何かお手伝いができたらと、廃棄物資源循環学会のタスクチームに入れて頂き、「災害廃棄物分別・処理実務マニュアル」で少し書かせていただきました。それもあり、2014年8月に発生した広島市の局部的豪雨による災害の際に、お声がけを頂き、いくつか委員などさせて頂きました。その時調査はしていませんでしたが、後に浅利先生代表の研究(環境省環境研究総合推進費)に参加、現地で有害廃棄物やボランティア、情報伝達の調査をさせて頂きました。

もっとも強く印象に残ったこと

 上の豪雨災害の時、災害のあった広島市で第25回廃棄物資源循環学会研究発表会(翌9月開催:幹事長)の打ち合わせをしており、「すごい雨だなー」と話していましたが、災害になるとは思っておらず、翌朝ニュースを見て驚きました。その後、上の調査をさせて頂いている際に、道路一本を挟むと家ごと流されている光景や、被災者の方と直接話す機会がたくさんあり、色々な意味での「隔たり」、「かたより」を実感しました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 メインは当学の水原先生がされている研究ですが、災害時の状況把握、情報伝達、ボランティア活動の効率化について、ゆるく携わらせて頂いています。上の環境省環境研究総合推進費では、被災者の方から様々な回答、ご意見を頂いていて、早く論文にしなければ、と思っているのと、災害時の状況把握や監視に、ドローンが使えないかと思っていますが手が回っていません。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害は大変さとその対象数の掛け算で整理したりしますが、前者は被災者の状況によって変わるものですし、人命に関わる情報や事柄となると数字では表せなくなります。よって、なるべく小さい集団や狭い範囲の多面的な情報が必要と思われ、かつ、それらをまとめる手法の両方が必要だと思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 上述の「きっかけ」までは、災害廃棄物の「さ」の字も知らないところでしたが、お手伝いすることが少しずつ増えました。災害廃棄物がご専門でなくても、力を発揮できるシーンはありますので、ご興味があれば上述の学会の災害廃棄物研究部会や身近な災害に関するグループに登録されてください。

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