関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】築谷尚嗣(つきだになおつぐ)

築谷尚嗣(つきだになおつぐ)

公益財団法人 国際エメックスセンター 専務理事 (兵庫県出身)
(2017/12/28掲載)

築谷 尚嗣(つきだになおつぐ)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 阪神・淡路大震災発生時に兵庫県環境整備課(廃棄物行政の担当課)におり、国庫補助を所管する一般廃棄物指導係であったので、否応なしに担当することとなった。

もっとも強く印象に残ったこと

 印象に残っているのは、災害廃棄物処理の国庫補助事業で初めて諸経費を認めてもらえたことである。
 阪神・淡路大震災までは、災害廃棄物処理事業の国庫補助において、諸経費は認められていなかった。おそらく、それまでの主な事業内容は、収集運搬、処分で工事の要素は少ないとみられていたためと思われる。しかし、阪神・淡路では、倒壊家屋の解体工事が特例で国庫補助と認められたし、仮置場での破砕・選別施設や仮設焼却炉など設置工事が必要なものも多くあり、諸経費ゼロでは対応できない。
 国に要望していたが、なかなか認められない。そこで、2月半ば、厚生省のN室長が兵庫県に来られた時に直訴したところ、早速、厚生省の担当者に電話を入れ、「解体工事等は土木工事だ。諸経費なしではできないぞ。大蔵省ともっとよく協議しろ。」と指示をしてもらった。このような経緯もあり、解体工事について、諸経費15%が認められ、査定では、他の工事についても15%が認められた。なお、15%は、当時の廃棄物処理施設災害復旧事業費補助金で定められていたものであり、建設時の諸経費率よりは低いものであった。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 大規模災害発生時、被災市町に対し災害廃棄物処理に関する助言・支援を行う「兵庫県災害廃棄物対策協力員制度」に登録している。(事務局:(公財)ひょうご環境創造協会)
 また、現在、災害廃棄物処理計画の検討を目的に設置している「兵庫県災害廃棄物処理対策検討ワーキンググループ」の座長を務めている。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害等廃棄物処理事業の国庫補助対象となるところを明示した資料があれば有難い。
 東日本大震災時の津波堆積物や豪雨災害時の廃棄物と土砂が混然一体となったものなど、補助対象と認められるものが増えてきつつあると感じているが、それの明確化が望まれる。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 阪神・淡路のときの人的ネットワークを活かして、市の協力を得て東日本大震災への支援(経験職員の派遣)や「阪神・淡路大震災20年の検証」を行うことができた。20年経っても関わっていただけるのは、大変、有難いと感じた。

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