林宏巳(はやしひろみ)
福岡市環境局 循環型社会計画課 (福岡県出身)
(2018/5/31掲載)
災害廃棄物に関わったきっかけ
平成28年4月の熊本地震発災時、福岡市環境局循環型社会計画課の計画係長に任命されており、通常業務としてごみ処理の総合調整を担っていることから、福岡市の窓口として熊本市への支援に関わることになりました。
その後、平成29年7月の九州北部豪雨、同年9月の台風18号水害における支援にも関わり、様々な方と知り合うことになりました。
もっとも強く印象に残ったこと
熊本地震発災後約1週間経過して、支援内容の確認等で熊本市役所を訪れましたが、新幹線の窓から見える家屋の屋根には大量のブルーシートが載せられ、市内道路には多量の災害廃棄物が積み残されていました。
熊本市では、連日連夜鳴り止まない電話を取り続ける職員や市民の叱責を受ける職員を目の当たりにし、同じ市職員としてできる限り力になりたいと思いました。
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
熊本地震における初動の反省点を踏まえ、支援希望自治体の判断で被災自治体に入って速やかに支援できるよう、熊本地震で関係の深まった北九州市、熊本市及び福岡市の3市にて相互支援協定を平成29年6月に締結しました。
今後も国や県と協力しながら、福岡県内や九州全体での支援の枠組み構築に取り組んでいきたいと考えています。
災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報
被災市町村は速やかに災害廃棄物の処理体制を構築しなければなりませんが、市町村職員は数年で異動するため、廃棄物処理の知見がほぼゼロに等しい場合もあり得ます。
災害時には災害廃棄物の収集運搬、仮置場の設置、災害廃棄物の域外搬出、支援自治体への差配等の臨時発生する不慣れな業務を処理する必要があることから、これまでの被災自治体の知見を国がマニュアル等の形で残してもらえると助かります。
その他、災害廃棄物対策に関する思いなど
残念ながら災害廃棄物は一般廃棄物と定められているので、基本的には市町村の責任で処理することになりますが、一定期間経過後に排出される解体廃棄物にしても産業廃棄物処理の知見が必要とされる部分が多くなり、廃掃法政令市以外では対応に苦慮します。
災害廃棄物に限って一廃・産廃どちらの区分でも処理できるようになれば、産業廃棄物処理業者でも処理方法等で協力しやすくなりますし、域外の処理ルート構築を視野に入れることができ、処理スピードが格段に上がります。
災害廃棄物を速やかに処理することが望まれている昨今の情勢を踏まえ、法改正等によって市町村の負担軽減をご検討いただければ幸いです。