林篤嗣(はやしあつし)
広島市環境局 業務第一課 課長(広島県出身)
(2018/8/31掲載)

災害廃棄物に関わったきっかけ
平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害です。推計量58万トンの災害廃棄物の処理を進めるため、環境局内に設置された災害廃棄物処理担当のメンバーとして、概ね1年半、計画策定から処理実施までの一連の業務に携わりました。
もっとも強く印象に残ったこと
発災後、環境省からリエゾンや技術専門家が派遣され、政府も現地対策本部を広島市役所に設置して、災害廃棄物の処理対策や国庫補助の対応など、昼夜を問わず多くの御支援をいただきました。
また、仮置場や中間処理施設の整備等にあたっては、広島県をはじめ地元や関係団体など、多くの皆様に御協力をいただきました。
こうした御支援・御協力があったからこそ、早期の災害廃棄物処理につながったと思っています。
現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと
災害廃棄物処理に携わった御縁で、自治体職員を中心にお話をする機会をいただいています。
自治体職員は定期的な人事異動があることから、人材育成が大きな課題となっています。
このため、本市の経験から、平時の備えとして災害廃棄物処理計画・マニュアルの策定や支援協定の締結、これらの運用のための図上訓練の必要性などを説明するようにしています。
災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報
地震や津波、豪雨、豪雪など自然災害で発生する災害廃棄物は様々です。
各自治体では、災害の規模は異なるものの様々な災害廃棄物の処理を行っていることから、災害別に廃棄物量の推計方法や処理方法、受援内容などの情報が共有できれば、今後の処理対策に大変役立つものと思います。
その他、災害廃棄物対策に関する思いなど
発災当初は、被災の全貌をつかむことが精一杯で、具体的な対策を網羅した処理実行計画の策定は困難です。
しかし、処理方針や処理完了時期等の目標を、市民へ早く示すことは大変重要です。
特に被災者にとっては、生活再建に向けた青写真が見えることが大きな励みになります。
このため、まずはラフなものでも一早く示し、その後、市民からの要望等も踏まえ、処理工程等を具体的に検討して、柔軟に計画を見直していくことが必要だと思いました。
また、廃棄物処理だけでなく、処理過程で発見した「思い出の品」の対応など、被災者や御遺族の心情に最大限の配慮を払うことも大切であることを学びました。
(追伸)
寄稿中に平成30年7月の西日本豪雨災害が発生し、現在、本市も災害廃棄物の処理を行っているところです。改めて、このたびの災害により、犠牲となられた御霊の御冥福をお祈りし、被災者の方々にお見舞いを申し上げるとともに、御支援・御協力をいただいた皆様方に心から感謝申し上げます。