関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】松下公夫(まつしたきみお)

松下公夫(まつしたきみお)

西原村役場 保健衛生課係長 (熊本県出身)
(2018/11/30掲載)

松下 公夫(まつしたきみお)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成26年4月環境係に異動して2年。災害が多いと言われる九州の中で災害廃棄物とは無縁で過ごしていました。そんな私の住む西原村で平成28年4月14日21時26分に発生した熊本地震で(後に前震と呼ばれる)震度6弱を観測、翌15日には災害廃棄物仮置き場を開設し受け入れ態勢を確保していましたが、4月16日1時25分に発生した震度7を観測した本震では、前震とは比べようもない揺れに仮眠中のベッドから立ち上がることすら出来ませんでした。
 夜が明け、目の前に広がる惨状に肌が粟立ちました。

もっとも強く印象に残ったこと

 地震発生後、自治体職員の皆様をはじめ、多くの方にご支援いただいたことです。東日本大震災を経験された東松島市の職員の方が、地震発生後すぐに駆け付けていただき災害廃棄物処理について助言、指導していただいたこと、佐賀市環境部の皆様による一般家庭ごみの収集運搬支援、また、九州をはじめとする多くの自治体職員の皆様に仮置き場での分別指導及び荷下ろしの手伝いの支援を頂き、仮置き場の当初運営が良好に行えたことが印象に残っています。
 昨今、被災地で災害廃棄物の山の映像が流れることが増え、仮置き場における分別の重要性も報道されています。西原村の仮置き場が良好に運営できたのも、多くの皆様にご支援いただいた結果であると思っています。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在も熊本地震に伴う災害廃棄物処理業務を継続して行っています。また、熊本地震の経験を多くの皆さんに伝えることが、ご支援いただいた皆様へ少しでもお礼になればと思い、都道府県主催の災害廃棄物処理事業研修会等でお話をさせていただいており、お声掛けがあれば今後も伝えていきたいと思っています。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 仮置き場の管理運営、搬入された廃棄物の運搬や処理先の確保といったものは、廃棄物処理事業者に委託するしかないのが現状です。ただし、都道府県によっては一括した組織体制がない場合もあります。今後は行政のみならず、関係諸団体も都道府県の枠を超えた情報共有を実践し、多くの災害廃棄物処理事業のノウハウを共有することでよりスムーズな災害廃棄物対策が実践できるのではないかと思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 熊本地震では、多くのボランティアの皆様にご支援いただきました。特に災害廃棄物処理事業では、被災した家屋から壊れた家具等を取出し、仮置き場まで運んでいただきました、その中で廃棄物の分別の必要性を理解していただき、実践された結果、仮置き場での混乱もなく良好な管理運営とスムーズな搬出が可能となり、再生利用率の向上につながりました。ボランティアの皆さんへ分別の必要性を丁寧に説明することは非常に大事だと思いました。

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