関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】上村一成(うえむらかずなり)

上村一成(うえむらかずなり)

朝倉市 市民環境部 子ども未来課 課長 (福岡県出身)
(2019/7/31掲載)

上村 一成(うえむらかずなり)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 私は、平成26年度から環境課リサイクル推進係長を拝命し、施設担当係長として、し尿処理施設や火葬場の維持管理業務に携わっていました。しかし、通常時の廃棄物(ごみ)の処理やリサイクル、災害廃棄物を担当する係長が、平成29年4月をもって定年退職されることから、当時の課長から平成28年度から朝倉市の災害廃棄物処理マニュアルの年度更新業務を任されたのがきっかけです。その後、その課長も平成29年4月に異動され、異動したばかりの係長に引き継ぐわけにもいかず、7月の九州北部豪雨災害を迎えました。

もっとも強く印象に残ったこと

 一言でいうならば「人に感謝」です。想定外の大規模災害で大混乱の中、なんとか乗り越えることができたのは、課員に恵まれたこと、様々な皆様のお力添えがあったことです。
 その一例です。私が従事した集積場でのこと、場内の積み下ろしに手間がかかり、大渋滞となったのですが、その待ち時間を利用して、助手席に乗ってあった方々やご近所の息子さん二人が自主的に積み下ろしを手伝っていただきました。ろくに休みも(トイレにも行けない)食事もとれなかった職員一同は、本当に感激しました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 平成31年4月から、残念ながら(?)異動となりましたが、私で良ければ、現在の業務に支障がない範囲で、可能な限り国、県、環境課への協力、今後被災された(あってはならないことですが)自治体へのお手伝いをしたいと思います。引き続き、在籍していたならば、今回の体験を生かした廃棄物処理計画と処理マニュアルを作りたかったですね。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 今回、補助金の交付事務に関しては、かなり苦労しました。国・県・市の財源や予算の仕組みを踏まえての補助金交付事務は、財務担当の経験がない者には非常にハードルが高いものです。単年度事業であれば、そこまで複雑ではありませんが、明許繰越や事故繰越になる場合は、財務省支局等との関わりや起債の取り扱いも複雑になります。
 このため、財務経験がない職員にも配慮し、予算・起債等の財務に関する仕組みも含めた災害廃棄物処理事業費補助金の仕組みの解説もしくは手引きがあれば助かりますね。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 先に述べましたように、今回、他の自治体・団体の皆さんのご協力やご配慮をいただきました。中でも、発災当初、環境省の支援チームの皆さん、D-waste-netのみなさん、そして常総市の職員お二人が支援に来ていただきましたが、その後も何かと親切、丁寧にご相談に乗っていただき大変助かりました。現在も引き続き情報交換等、親しくしていただいている方もいます。その後、私が支援に赴いた先の自治体の方とも親しくさせていただきました。
 これまでに関わった皆さん方とは、ずいぶん以前から友人だったような気がしており、今後もこのつながりを大事にしていきたいと思います。
 最後になりましたが、たくさんの方から受けたご協力やご支援に感謝し、直接「恩返し」できない分は、他の自治体の皆さん方へ「恩送り」をしていきたいと思っています。
 今後とも朝倉市をよろしくお願いいたします。

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