関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】谷本晃一(たにもとこういち)

谷本晃一(たにもとこういち)

大洲市総務企画部復興支援課 専門員 (愛媛県出身)
(2019/11/29掲載)

谷本 晃一(たにもとこういち)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 愛媛県大洲市を流れる一級河川「肱川(ひじかわ)」は、我々に多くの恵みをもたらす一方で、幾度となく水害という試練も与えてきました。特に平成30年7月豪雨では、近年まれにみる甚大な浸水被害を受け、同時に大量の災害廃棄物が発生しました。
 当時、私は企画政策課に所属しており、廃棄物に関する知識も経験もまったくありませんでしたが、廃棄物担当課だけでは処理対応が追い付かない状況であったため、急遽、応援要員として関わることになりました。
 当初、応援期間は処理が軌道に乗るまでの数週間程度とのことでしたが、廃棄物の量があまりにも膨大であったため、専属のプロジェクトチームが設置されることとなり、そのままチームの一員として1年間、災害廃棄物処理に従事しました。

もっとも強く印象に残ったこと

 人と人とのつながりです。発災当初、我々が対応に苦慮している姿を見て、環境省支援チームの方が過去に大きな被害を経験された熊本市や朝倉市の職員の方に携帯電話で応援を要請されました。するとその数日後には、連絡を受けた職員の方々が、自分たちの仕事を差し置いて大洲に駆けつけてこられました。
 このとき感じたのは、災害という共通の痛みや苦しみを乗り越えてこられた方たちのつながりの強さでした。その後も、近隣被災自治体の担当者の方々や収集・処理業者の方々など、つながりの輪が広がっていき、廃棄物処理や公費解体、補助金査定など、次々と現れる壁にぶつかる度に、人と人とのつながりに助けられ、支えられ、勇気づけられました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 今年の8月末にプロジェクトチームが解散し、今は復興支援課に所属していますので、災害廃棄物対策に直接携わることはありませんが、先の台風15号・19号災害など、災害関連の報道をみると、現地の自治体職員の方々の大変さを自分のことのように感じるようになりました。
 部署は変わっていますが、国や県などから研修での事例発表などの依頼があれば、当時の担当者としてできるだけ協力するようにしています。
 自分たちの経験談が、少しでも他自治体の災害廃棄物対策に役立つことができればと思っています

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 今回の災害で発生した廃棄物は、幸いにも県内で処理することができましたが、南海トラフ巨大地震が発生した場合には県域を越えた広域処理が必要になると思います。
 広域処理の実例や具体的な事務処理について情報を収集し、事前に備えておく必要があると思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 よく言われる「事前の備え」は、やはり大事なことだと災害を経験して改めて感じました。しかし、当市のように規模の小さな自治体では、起こるか起こらないか分からないことへの備えに十分な時間を割けるほどの人員が配置されていない場合もあります。
 一方で、大規模災害の多発により、幸か不幸か災害廃棄物処理に関する経験やノウハウはどんどん蓄積されています。被災してからではなく、事前の備えを整える段階から貴重な財産である経験やノウハウを共有できる環境が充実していけばいいなと思います。

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