関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】西谷伸治(にしたにしんじ)

西谷伸治(にしたにしんじ)

坂町役場 建設部 都市計画課 課長 (広島県出身)
(2020/6/30掲載)

西谷 伸治(にしたにしんじ)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 坂町は職員数約100名の小規模自治体です。当時は環境係と防災係が一つとなった環境防災課の課長でした。平成30年7月豪雨災害直後は、人命救助、避難所運営等の対応を主に行っていましたが、大量の土砂、ガレキ、被災家屋からの混合廃棄物の撤去も同時に進めなければならず、災害廃棄物処理業務も同時に担当することになりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 豪雨災害では巨大な土石流が住宅密集地を襲い、多くの方が犠牲となりました。想像を絶する大量の土砂やガレキが堆積した現場を見て、呆然と立ち尽くしていた記憶があります。そのような状況の中、昼夜を問わず、多くの消防士・警察官・自衛隊の方々と行方不明者の捜索に従事したこと(残念ながら未だに発見されていない事)が最も心に残っていますし、今後も忘れることはないでしょう。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 建設部に異動後も災害廃棄物仮置場の復旧を担当し、3月末でようやく業務が終了しました。また、他の自治体等に災害当時の状況や災害廃棄物処理の経験を話す機会が何度かありました。発災後、全国の方々からご協力いただき、大変お世話になりました。微力ながら次は自分が災害発生時には、すぐにでも現地に駆け付け支援したいです。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 経験上、災害廃棄物処理(補助申請等の事務を含め)を職員のみで完了することは不可能でした。災害廃棄物対策だけでなく、被災自治体での職員の受援体制、インフラ復旧、被災者支援体制など、各自治体が発災時から復旧・復興まで実施した事業の工程表を共有できれば、事務負担の軽減に繋がるのではないかと思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害廃棄物対策にも、土木積算業務・財務会計事務(契約事務含む)・財政運営(予算編成、起債、交付税等)に精通した職員が必要だと感じました。特に土砂撤去・仮置場復旧・家屋解体のスキームでは技師の知識と経験が必要です。どの自治体も土木系の人材不足が続いていますが、我々、災害対応を経験した者が、やりがいや達成感をもっとアピールすることで、モチベーションの高い職員が環境部局を希望するようになれば嬉しいですね。

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