関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】大槻(おおつき)

大槻(おおつき)

福島県生活環境部 一般廃棄物課 副主査 (福島県出身)
(2020/7/31掲載)

大槻(おおつき)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 令和元年10月12日からの令和元年東日本台風により福島県は甚大な被害を受けました。
 発災直後、私は災害廃棄物とは別の分野での災害対応をしていましたが、県は専門の職員5人(主幹1名、技術系職員2名、事務系職員2名)を配置することとし、その一員として11月11日から災害廃棄物処理に関わることになりました。
 私は、事務系職員として災害関連事業の補助金に関する業務の担当となりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 市町村等では、住民への応対、また契約や支払事務に忙殺され、なかなか補助金に関する事務に手が回らないことかと思います。
 それにもかかわらず、提出期日はしっかりと守る、書類が分かりやすい、緻密に費用が算出されている、処理方針については住民を第一に考えるなど、非常事態の混乱期であっても全力投球で職務に取り組んでいた市町村等職員の姿勢が印象に残っています。
 特に災害査定での皆様の一生懸命さは忘れがたいものでした。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 現在も補助金に関する業務をしております。
 処理を進める上で、初動対応や指針を示せていればもっとスムーズでコストもかからない処理ができたのではないかという場面があります。
 したがって、今後、決して万一とは言えない災害が起きた時に向けての関係機関との連携や連絡体制の構築に取り組めればと考えます。
 また、私は以前借上げ住宅の部署で仕事をしていたことから、今回の災害で同部署に一時的に呼び戻され、これまでの経験を活かして業務を行いました。災害廃棄物処理でも同様に経験者が一人でもいることで市町村等の助けになると思うので、県として災害対応の体制を整えるのも大切だと考えます。

災害廃棄物対策に関して欲しい情報、共有したい情報

 災害廃棄物処理に係る廃掃法や適化法など関する法令の情報です。
 我々は自治体職員である以上、各法の本を読み勉強しないといけませんが、災害廃棄物に特化した解説書などがあればとも思います。
 また、発災直後は市町村からの補助金の対象の可否の問い合わせでほぼ1日が終了していたため、より具体的な補助対象に関する情報を共有できればと思います。
 さらに、かなり具体的ですが、稲わら及びアスベストの処理について情報提供、共有させていただければと思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 今後は、コロナ対応など新たな問題への備えもしなければならないと考えます。実際に、インフルエンザで市町村等の職員や同僚が次々と倒れ、苦しい思いをした時期もありました。
 また、私は職場の人間関係に非常に恵まれました。事務量自体は膨大で過酷な災害廃棄物処理をなんとかリタイアせずいられるのは、チームの力があったからこそと確信しています。今後災害廃棄物処理に当たる方は職場の雰囲気作りにも努めていただければ幸いです。
 さらに、他の自治体職員からは多大なる支援をいただきました。なかにはプライベートでボランティアをしていただいた方もおり、被災地のために貢献したいという熱い思いを感じ、自分も頑張らなくてはとより思いました。

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