関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】吉澤和宏(よしざわかずひろ)

吉澤和宏(よしざわかずひろ)

熊本県環境生活部 循環社会推進課 審議員 (熊本県出身)
(2020/12/28掲載)

吉澤 和宏(よしざわかずひろ)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 熊本地震で自宅前の道路を埋め尽くした瓦が最初に関わった災害廃棄物でした。そして、片付けを手伝っていただいた近所の方々から、共助の大切さと有難さを学びました。
 その2年後、現在の職場で本格的に災害廃棄物に携わることとなりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 平成30年7月豪雨災害で真備町の路上に置かれた災害廃棄物と、マービーふれあいセンターにうず高く積み上げられた混合廃棄物は衝撃でした。
 災害廃棄物も分別が出来ていれば、仮置場からリサイクル施設等に搬出できますが、混合廃棄物は分別に膨大な時間を要するため、改めて分別の必要性を実感しました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 令和2年7月豪雨災害では、災害廃棄物の「分別収集」を市町村や産業資源循環協会等と取り組みました。
 平成30年度に、すべての市町村で災害廃棄物処理計画を定め、仮置場の場所と分別するためのレイアウトは整理してありましたので、仮置場の分別搬入体制は比較的短時間に整いました。
 さらに、自衛隊による大型災害ごみの分別収集や仮置場での単一品目の優先持ち込みレーン設置など、関係者の協力や工夫もあり、分別収集は浸透し、発災後4カ月という短期間で仮置場の片付けごみはリサイクル施設等に搬出されました。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 令和2年7月豪雨災害で災害廃棄物処理が早期に進んでいる要因は3つあります。

  1. 全市町村で災害廃棄物処理計画が策定済みであり、仮置場の場所と分別方法が整理済みであったこと。
  2. 市町村と仮置場を管理する廃棄物処理業者の協力により、早期に仮置場で分別して受け入れる体制が取れたこと。
  3. 住民の方々をはじめ、自衛隊やボランティア、事業者の分別に対する協力があったことです。

 地球温暖化により、いつどこで災害が起こるか分かりません。ぜひ、災害廃棄物処理計画の策定や仮置場の管理運営方法の検討など事前の備えを進めてください!

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