関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】岩本安未(いわもとあみ)

岩本安未(いわもとあみ)

広島市環境局 環境保全課 主任技師 (広島県出身)
(2021/1/29掲載)

岩本 安未(いわもとあみ)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 最初に災害廃棄物に関わるきっかけとなったのは、平成26年8月に発生した豪雨災害です。
 当時、一般廃棄物の総括部署である環境局環境政策課に配属されていたことから、災害廃棄物の処理全体の総括、実行計画の策定及び補助申請業務を担当することになりました。
 それから4年後の平成30年7月豪雨災害の発生時にも、引き続き同課に所属していたことから、再び同様の業務に関わることになりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 平成26年の災害では、10月1日に専任の処理チームが結成されるまでの約1か月間、通常業務を行いながら、課長補佐と2人で処理の総括等の対応を行っていました。災害廃棄物の処理というものがなかなかイメージできない中、環境省の方々に日々御指導を頂きながら、手探りで事務を進めたことを覚えています。
 平成30年の災害では、土砂混じりがれきの処理の主体が下水道局となったこともあり、下水道局の担当者と日に何度も電話でやりとりをして情報共有を図りました。
 同様の業務を行うのは二度目でしたが、法改正や連携事業、費用償還など、4年前とは災害廃棄物処理を取り巻く環境が変化していることを感じました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 二度にわたる被災の経験を生かし、昨年度末に「広島市災害廃棄物処理計画」を策定しました。コンサル委託などは行わず一から自前で作り上げたため、策定時の達成感はひとしおでした。
 令和2年度から所属が異動し、平成30年7月豪雨に係る会計検査も終えたことから、今は災害廃棄物に関する業務はやり切ったという思いです。
 ただ、被災地の支援を目的として設立された「災害廃棄物処理支援員」に登録することとなったため、災害廃棄物との縁はまだまだ切れることはないのだな、と感じているところです。

災害廃棄物対策に関してほしい情報、共有したい情報

 既存施設での処理ができない場合には、新たに処理施設を設ける必要が出てきますが、経費と処理期間の観点から、どれくらいの量やエリアごとに施設を設置するのが最も効率的なのか、標準的なモデルのようなものがあれば、初動の方針決定を行う上での参考となるのかなと思います。
 また、広域的な災害が頻発する今日の状況を踏まえると、災害廃棄物対策指針において示されている品目以外のものの推計方法についても、全国的な統一を図ることが望ましいのではないかと思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害廃棄物処理は、一度経験すると経験者として長らく関わることになる分野だと感じています。
 このようなネットワークが醸成されていくことで、国全体の災害対応力が向上していくのではないかと思います。

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