関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】出口裕也(でぐちひろや)

出口裕也(でぐちひろや)

千葉県 環境生活部 循環型社会推進課 (広島県出身)
(2021/12/24掲載)

出口裕也(でぐちひろや)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成30年7月豪雨で大きな被害を受けた広島県は、私の生まれ故郷です。災害では、先祖の墓が土砂崩れで流されるなど、私自身の身近にも被害がありました。
 報道等で被害状況を知るうちに、故郷の危機に対して、自分にも何か手伝えることはないかと感じ、上司に相談したところ、災害廃棄物処理の支援を目的として、広島県へ派遣していただけることとなりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 広島県へ派遣中の令和元年に、千葉県が房総半島台風・東日本台風による大きな被害を受けたため、派遣途中で呼び戻されることとなりました。
 派遣中に自分の県が被災することを想定していなかった私は、強い衝撃を受けるとともに、「災害はいつ、どこで発生してもおかしくない」ということを痛感しました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 令和元年の一連の災害による災害廃棄物は、被災市町村のご尽力により、令和3年3月末までに、県内の処理を完了することができました。
 現在は、令和元年の経験を風化させないためにも、被災自治体の職員や、災害廃棄物処理に協力いただいた民間事業者の方に講演をしていただく等により、災害対応経験の共有を図っているところです。
 いつ来るかわからない次の災害に備えるためにも、県の主導でセミナーや演習等を実施することで、自治体の災害対応能力向上に努めていきたいと考えています。

災害廃棄物対策に関してほしい情報、共有したい情報

 令和元年房総半島台風で発生した災害廃棄物の量を推計する際には、環境省の災害廃棄物対策指針で示された原単位等を用いましたが、強風による被害が中心の房総半島台風に適用することは難しく、実際の発生量との間にかなりの差が生じました。
 災害の種類によって、発生する災害廃棄物の種類、量等は異なります。より精度の高い推計のためにも、災害種別ごとの発生量原単位等が示されると望ましいと思います。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 令和元年の災害では、広島県への派遣期間中に学んだ知識が大変役立ちました。
 派遣期間終了後も、広島県職員の方から災害廃棄物の処理等に関して様々な助言をいただき、人と人の繋がりの大切さを感じるとともに、他の自治体を支援することは、自分の自治体の災害対応力にも大きく貢献することだと実感しました。
 今後は、本県が過去の災害で学んだ経験を、他の自治体に役立てることが出来ればと考えております。

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