関係者とつながるリレー寄稿Stakeholders network 人と人、組織と組織のつながりで災害廃棄物の対策・処理を進める

【リレー寄稿】藤倉功太(ふじくらこうた)

藤倉功太(ふじくらこうた)

栃木県環境森林部 資源循環推進課 (栃木県出身)
(2022/1/31掲載)

藤倉功太(ふじくらこうた)

災害廃棄物に関わったきっかけ

 平成30年度に廃棄物対策課(現 資源循環推進課)に配属をされ、災害廃棄物処理計画策定の命を受けたのが始まりです。
 その翌年には、令和元年東日本台風が発生し、栃木県内でも多くの災害廃棄物が生じました。発災の前年度に計画を策定していたことで、スムーズに動けた部分もありましたが、課題も多く残す結果となりました。

もっとも強く印象に残ったこと

 令和元年東日本台風は、災害廃棄物処理計画を策定した翌年度の災害ということもあり、災害廃棄物処理の大まかな流れを頭では理解していたつもりでした。
 しかし、実際に動かなければならないとなった時に、具体的な動きを想定していないことも多く、特に路上に積まれた災害廃棄物を見たときには、どのようにこの膨大な災害廃棄物を撤去すればよいのかと不安を感じました。
 それでも環境省リエゾンの方々に助けられながら、被災自治体や関係団体、自衛隊、多くの応援自治体と連携を図り、ようやく撤去までの道筋を描くことができました。

現在の災害廃棄物対策との関わりや今後取り組みたいこと

 令和元年東日本台風で発生した全ての災害廃棄物を目標処理期間である令和2年度内で処理することができました。
 現在は、災害時の経験を踏まえ、平時からの研修・訓練や環境省関東地方環境事務所と共同で記録誌の作成に取り組むなど、今後発生が予想される大規模災害に備え、市町や関係団体との連携強化に努めております。

災害廃棄物対策に関してほしい情報、共有したい情報

 発災当初は、被災市町の職員から処分先の情報などの問合せ対応で手一杯となる日々でした。大規模災害の発生や廃棄物の品目によっては、県内では処理が困難なことも考えられますので、広域で支援が可能な事業者の情報などの整理は必要不可欠だと感じました。
 また、実際に災害廃棄物処理業務に従事された方の体験談は、具体的で説得力を持っています。記録誌や講演等を通して引き継いでいくことが平時の備えの1つとして非常に重要なことと感じています。

その他、災害廃棄物対策に関する思いなど

 災害廃棄物の処理を経験し、多くの方の支援に支えられながら進めているのだなと強く感じました。どの自治体も人手不足であり、ごみ回収も直営で行っている自治体が減ってきている状況かと思います。令和元年東日本台風では、栃木県内に多くの支援をいただきましたので、我々にできることがあれば御協力させていただき、支援の輪を広げていきたいと思っております。

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